公開日: 2022年08月25日

更新日: 2024年12月20日

ダーマペンでシミ治療ができる?美容皮膚科医が解説します!

ダーマペンでシミ治療ができる?美容皮膚科医が解説します!

女性たちの永遠の悩みであるお顔のシミ。毎日の紫外線対策やスキンケアで欠かさずケアしていても、なかなか消えることはありません。メイクで何となく隠している方も多いと思います。でももし、お顔のシミが薄くなる方法があったら嬉しいですよね。

最近話題になっているダーマペンを使えば、シミの治療ができます。過去にもダーマペンを使った施術はありましたが、現在多くのクリニックで使われているダーマペンは以前のものより改良され、より効果を感じやすくなりました。

今回は、現在使われているダーマペンの仕組みや、シミが出来るメカニズムなどを詳しく解説していきます。シミでお悩みの方はぜひご一読いただき、ご自身の今後にお役立てください。

最近話題のダーマペンとは

最近話題になっているダーマペンとは一体どんなものなのでしょうか。
ダーマペンとは、ペンのような皮膚再生治療器具のことを指します。「ダーマペン=施術器具」のことですが、ダーマペンを使った施術を総称して「ダーマペン」と呼んでいます。

皮膚再生治療器具のダーマペンは、髪の毛よりもさらに細い極細針を使って、お肌に小さな穴を開ける治療です。ペンと名の付く通り、ローラータイプではなくペンタイプなので、お肌に対して垂直に針を入れることができます。

以前からシミ治療で普及していたレーザー治療も、ダーマペンと同じく、自然治癒力を使って肌悩みを改善するものでした。しかし、お顔に直接熱エネルギーを加えて施術を行うため、肌にダメージが出るのがデメリットでもあります。

その点ダーマペンなら、お顔に開ける穴はかなり小さいので、レーザー治療に比べてダウンタイムを短縮できます。針が刺さる角度も垂直なので、お肌の損傷は必要最低限に抑えることができ、痛みや出血が少ないことが特徴です。

ダーマペンを行う場合には、まず医師とのカウンセリングが必要です。この時点でしっかりと疑問点や不安などを取り除くことで、納得のいく治療が行えます。

次にメイクを落としていただき、アクセサリーを外していただきます。施術当日はメイクすることが出来ないので注意してください。準備が整ったら施術を開始します。範囲にもよりますが、施術自体は20~30分程度で終了します。クーリングなどのアフターケアを行って終了です。

上記のようにダーマペンは、手軽に多くの肌悩みを改善に導くことができます。施術によって効果が期待できる主な症状は以下の通りです。

・シミ
・ニキビ
・ニキビ痕
・凹凸のクレーター改善
・目立つ毛穴
・シワ
・くすみ
・たるみ
・肌質の改善 …など

多くの肌悩み

ダーマペンには肌の再生能力を引き出す効果のほかに、ダーマペン専用のピーリング剤を併用することで、幅広いお悩みを改善する力もあります。

ダーマペンに使われる専用ピーリング剤は、総合的に美肌を促進できるようなオールインワンタイプ、かつ低刺激なので、多くの方への施術に使用できるものです。このピーリング剤を併用することで、炎症性のニキビへの施術も可能になり、より多くのお悩みを改善することが出来ます。

現在は、家庭用のマイクロニードル機器なども普及していますが、準備や施術をご自身で行う必要があります。知識や技術が乏しい状態で行うため、かえって治りづらい傷を作ってしまうケースもありました。

しかしダーマペンの施術なら、技術や知識を持った医師が行うことはもちろん、麻酔クリームを使って施術するため、必要以上に痛みを感じることはありません。通院の手間はありますが、より安全な施術を希望するならクリニックへの通院がおすすめです。

ダーマペンは1度の施術でも効果を感じることが出来ますが、複数回の施術によって、より高い効果を実感することが出来ます。個人差はありますが、約5回程度の施術が必要です。しかし肌に直接穴を開ける施術なので、1度治療を行うと、3~4週間ほどはお肌を休める必要があります。

ダーマペンは、根気よく治療に通うことで、美肌へと繋がる施術なのです。

ダーマペンの仕組み

以前からダーマペンによる施術は行われてきましたが、現在多くのクリニックでは、ダーマペンの中でも最新機種である「ダーマペン4」を使って施術を行っています。

ダーマペン4には髪の毛よりも細い16本の針がついていて、1秒間に1,920個の穴を開けることが可能です。従来の機器よりも針数が多く、振動する速度も上がったので、痛みの軽減につながっています。また、針の長さを0.1mm単位で調節することが出来るので、肌の状態に合わせて施術の深さが変更でき、より効果を実感しやすくなりました。

使用する針はかなり細いので、目の周囲を含める狭い範囲や、フェイスライン・鼻などのカーブした部位への施術も可能です。振動する速度も細かく変更できるので、施術ポイントを狙ってスピーディーかつ的確に穴を開けることができ、より治癒効果の高い施術方法として人気が高まっています。

さらにダーマペンは、他の施術との組み合わせでより効果を高めることが出来ます。
施術を組み合わせることによって、色々なタイプの悩みに対応することができ、より効果のある肌質改善やアンチエイジングが可能になりました。

シミができるメカニズム

シミができるメカニズム

ダーマペンの施術で改善される肌悩みの中に、シミがあります。
多くの方が気にされているお肌のシミですが、仕組みを理解できていない方もいると思うので、シミができるメカニズムについて紹介します。

そもそもシミが出来るのは、局所的に過剰なメラニンが作られてしまうことが原因です。しかし、メラニンは悪い物質ではありません。メラニンには、お肌の細胞を紫外線から守るという働きがあり、メラニンの増加は、皮膚にダメージがいかないように食い止めようとしている状態です。

元々表皮には、黒色の色素(メラニン)を作るメラノサイトがあります。お肌が紫外線を浴びてしまうと、このメラノサイトは一生懸命働いてしまい、多くのメラニンを作り出します。
その結果、過剰に作られてしまったメラニンが表皮の細胞に流れ、皮膚が黒くなってしまうのがシミの仕組みです。

通常は、肌が新陳代謝(ターンオーバー)を起こすことで、汚れなどと一緒にメラニンを含んでいる細胞が剥がれて、肌の色は元に戻ります。しかし、紫外線などのダメージが蓄積されていると、ターンオーバーは上手く機能しません。ターンオーバーが正常に行われないとメラニンが肌にとどまってしまうので、シミとなって残ってしまいます。

「シミ=メラニンが悪さしている」と思われがちですが、上記のように、メラニン自体が悪いわけではなく、ターンオーバーが正常に行われていないのが原因なのです。

シミを防ぐためには、メラニンを過剰に増やさないための正しい紫外線対策や、ターンオーバーを正常に機能させるための毎日のお肌のケアが大切になってきます。また、生活リズムを見直して、ストレスをためずに規則正しい日々を送ることも重要です。

ダーマペン治療のシミへの効果

ダーマペンは肌へ意図的に穴を開けています。肌に穴を開けるなんて…と思う方もいるかもしれませんが、この穴はとても小さく、目に見えないほどです。

とても小さい穴ですが皮膚にとっては治すべき傷なので、傷を修復しようと治癒能力が作用します。傷の修復には、肌の内部にある線維芽細胞の活性化が必要です。

この線維芽細胞は、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などといった、美肌のための重要な成分を作り出す細胞なので、この細胞が活性化することによって、コラーゲンなどの成分が増加し、皮膚に弾力やハリが生まれます。その結果、肌悩みの改善へと繋がるのです。

また、線維芽細胞の活性化によって新陳代謝の促しもはかれるので、シミやニキビ痕・毛穴の開き・シワの改善などにも効果的です。自身の治癒能力を引き出して治療するため、肌質の改善にも役立ちます。

ダーマペンで開けた小さな穴に専用の薬剤を注入すれば、より高い美容効果も得ることも可能です。しかし、肌質や状態によっては使用できる薬剤に制限があるので、ダーマペンと薬剤を組み合わせる場合は医師への相談が必須になります。

ご自身のお肌に合った施術を行うことで、より満足度の高い効果を得られます。

まとめ

今回は、今話題のダーマペンについて紹介しました。

話題になっているので耳にしたことがある方も多いと思いますが、正しく施術方法や仕組みを理解している方は少ないです。ダーマペンの存在は知っていても、従来の機器との違いは知らなかった方もいるでしょう。

女性のお悩みは、お顔のシミやたるみ・体のラインなど、多くの場合が他人から見えるものです。特にお顔に関しては、1番目に留まりやすい場所でもあります。人とコミュニケーションをとる上で1番最初に見られる部分だからこそ、きれいな状態を保ちたいですよね。

しかし、美容医療の施術による肌へのダメージや副作用を気にする方も多いです。そういったことへの不安から施術を見送る方もいるでしょう。もちろん、不安を抱えたまま施術を行うことは決しておすすめしません。

自宅でのケアが充実している現代では、クリニックでの施術は、通院の手間や料金の高さが気になる場合もあると思います。しかし、正しい知識と技術を持った医師によるカウンセリングやアフターケアがあることで、より安心して施術を受けることが出来ます。

正しく理解することで不安は取り除けますので、ご自身が綺麗になるチャンスを逃さないためにも、肌のお悩みを抱えている方はぜひ1度クリニックにご相談ください。知識や経験が豊富な医師たちが、責任をもって対応させていただきます。

  ダーマペン  

ご相談は、初診・再診問わず、お電話・WEBフォーム・LINEにて受付中です。

この記事の監修者

藤井 靖成

藤井 靖成

大阪・梅田 藤井クリニック院長

総合内科内科専門医であると同時に消化器内視鏡専門医・指導医として従事。
胃がん大腸がんに対する内視鏡検査・手術を通して磨いた技術と豊富な経験を活かしながら、美容外科の技術も習得し約400,000例の美容外科施術経験を積む。また、皮膚額をベースとするスキンケア医療に取り組む。
「楽しく生きる」をコンセプトに、自身が理想とする医療を追い求めるため、2007年5月 大阪・梅田に「藤井クリニック」を開院。
開院以来、美容整形手術ではない、自然な綺麗さや若返りを目的としたメスを使わない美容医療を提供し、約20年間で180000例以上の実績を持つ。


略歴

智弁学園和歌山中学・高等学校卒
和歌山県立医科大学卒(平成6年3月)
和歌山県立医科大学付属病院 第二内科学教室入局
日赤和歌山医療センター 麻酔科
国保日高総合病院 内視鏡室 室長
大手美容外科 勤務
亀田総合病院 研修
東京大学医学部付属病院 研修
藤井クリニック開院・院長就任(平成19年5月)
藤井クリニック大阪駅前開院(平成23年5月)


認定・所属学会

日本内科学会 認定医・専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本肝臓学会専門医
総合内科専門医
日本消化器がん検診学会 会員
日本超音波医学会 会員
日本美容外科学会 会員
日本美容外科医師会 会員
日本美容皮膚科学会 会員
日本抗加齢医学会 会員
日本抗加齢美容医療学会 会員
日本レーザー医学会 会員


認定資格一覧
  • サーマクール認定医
  • ウルセラ認定医
  • クールスカルプティング認定医
  • ライポソニックス認定医
  • レスチレーン認定医
  • マクロレーン認定医
  •  
  • アラガンバイクロス認定医
  • アラガンハイラクラス認定医
  • ボトックスビスタ認定医

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