公開日: 2024年12月24日

更新日: 2024年12月26日

皮膚科のシミ取りは保険適用?おすすめの治療方法も紹介

 

加齢や紫外線などの要因で発生するシミは、セルフケアを入念に行ってもなかなか改善しませんよね。
そのため、一般皮膚科や美容皮膚科での治療を検討している方もいらっしゃるでしょう。
しかしシミには、保険が適用されるものと、そうではないものがあることはご存じでしょうか?

 

そこで本記事では、保険が適用されるシミの種類を紹介します。
ご自身のシミが保険適用となるのかどうかを知りたい方は、最後までご覧ください。

 

一般皮膚科でシミ取りはできる?

一般皮膚科では、皮膚疾患と判断された場合のみ、保険適用の扱いとなります。
皮膚疾患とは、湿疹やかぶれなど皮膚に生じるさまざまな病気のことで、先天性のシミも含まれます。
つまり、生まれつきのシミや怪我によってできたものと診断された際は、保険適用で治療を受けられるということです。

 

なお、シミ取りで保険が適用された場合は、治療費の3割を負担することとなります。

 

保険適用になるシミの種類

 

シミ取りで保険が適用される基準がわかったところで、ここからは保険診療の対象となるシミの種類を紹介します。

 

太田母斑(おおたぼはん)

太田母斑は一般的に青あざとよばれており、顔の片側からおでこ、目の周りなどに青紫色のシミが広がるのが特徴です。

 

このシミは、生後数日から数週間で表れる“早発型”と、思春期以降に発生する“遅発型”の2種類に分けられます。

 

早発型は、基本的に5~6歳までに消失することがほとんどです。
一方、遅発型は思春期以降にシミの数が増えたり濃くなったりするため、人によっては鏡を見るのが苦手になるかもしれません。

 

太田母斑は遅発型の場合、自然に消えることはないので、目立つような場所にある場合は治療を検討してみてください。

 

ただし、太田母斑の治療にルビーレーザーを選択した場合、5回までが保険が適応される限度です。
そのほかのレーザー治療では、治療回数の上限は設定されていないので、ご安心ください。

 

扁平母斑(へんぺいぼはん)

ミルクコーヒーのような色の色素斑を、扁平母斑といいます。
ほくろと似ていますが、皮膚から盛り上がりはせず、数mmから数cmと人によってサイズはさまざまです。
また、通常は茶色のみですが、稀に黒いシミも点在し、手のひらや足の裏を除いて、どこにでも発生する可能性があります。

 

扁平母斑は太田母斑と同じく、出生時または思春期を迎えて発症します。
治療しても再発しやすいため、そのぶん何度も病院に通わなければなりません。
ですので、保険を活用して治療費を抑えることが大切なのです。

 

外傷性色素沈着

外傷性色素沈着は、事故や怪我などがきっかけで傷口に異物が入り、それが取り除かれないまま閉じることで、皮膚内で色素沈着を起こして発生します。
たとえば、転倒した際に傷口に砂が入り込んでしまったり、鉛筆が刺さって、折れた芯がそのまま残ったりなどといった事例が挙げられます。

 

このような事故や怪我などを原因とするシミは、すべて皮膚疾患となるため、シミ取りの治療を行う際は保険が適用されるわけです。

 

異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)

体にできるシミも、保険適用で除去できるケースがあります。

 

異所性蒙古斑は、主に新生児の腰やお尻にみられる灰青色の色素斑です。
日本人のほぼ全員に発生する色素斑の一つで、基本的には生後2年ほどで消えていきます。
しかし、サイズが大きかったり、色が濃かったりすると消失までに時間がかかり、成人になっても残ってしまうケースがあります。

 

このように時間が経っても解消されない異所性蒙古斑がある方は、保険適用での治療が可能です。

 

保険適用にならないシミの種類

ここからは、自由診療で治療を受けることとなるシミの種類を紹介します。

 

老人性色素斑

老人性色素斑とは、加齢と紫外線の積み重ねによって引き起こされるシミの一種です。

 

40歳を過ぎると徐々に目立つようになり、大きさは数mmから数cmのものまでさまざまです。
また、円形や楕円形が多く、シミが発生していない肌との境界がはっきりしています。

 

老人性色素斑は、かゆみや痛みを伴わないため「治療しなくてもいいや」と、そのまま放置してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、放置すると脂漏性角化症というイボに進展するおそれがあります。

 

ですので、保険は適用されませんが、シミが気になったタイミングで一般皮膚科や美容皮膚科に相談することをおすすめします。

 

肝斑

肝斑とは、両頬に左右対称にできるシミのことを指します。
老人性色素斑と見た目や発生する箇所が似ていることから、なかなか見分けるのが難しいシミです。
しかし、肝斑は老人性色素斑と比べて、シミと肌の境目がはっきりしていないという特徴があります。

 

ご自身のシミにこのような特徴がみられた場合、自己判断で市販薬を服用するようなことはせず、美容皮膚科を受診するのが良策です。

 

そばかす

そばかすは鼻や頬のあたりに、3~5mmほどの薄茶色もしくは茶色の斑点が左右対称に発生するのが特徴です。
メラニン色素の増加やホルモンバランスの乱れ、遺伝が原因とされています。

 

紫外線を浴びる期間が長いと、そのぶん色も濃くなると考えられており、顔はもちろん腕や肩など、日光の当たる機会が多い箇所に多く発生します。

 

炎症後色素沈着

やけどや傷、ニキビなど、ダメージを受けた部分が炎症を起こし、シミになったものを炎症後色素沈着といいます。

 

炎症後色素沈着は、虫刺されの跡を必要以上にかいたり、ニキビをつぶしたりすると発症するリスクが高くなります。
また、不規則な生活習慣や紫外線ダメージによって、肌がダメージを受けつづけると残りやすくなるため注意が必要です。

 

シミ取りに使用される治療方法

 

保険適用になるシミや、美容皮膚科でのみ施術を受けられるシミの種類がわかったところで、ここからはシミ取りの治療方法を紹介します。

 

レーザー治療

シミ取りを行う際の代表的な治療方法として、レーザー治療が挙げられます。

 

レーザーは、黒色や茶色など、シミと近い色に反応する性質をもっています。
その性質を利用し、肌の奥にひそんだメラニン色素を直接破壊するという仕組みです。

 

レーザー治療は、シミが皮膚疾患だと診断された場合、保険適用で受けられます。
一方、老人性色素斑や肝斑と診断を受けて、レーザー治療を希望する場合は保険が適用されないため、美容皮膚科を受診することとなります。

 

美容皮膚科でレーザー治療を受ける場合、クリニックによって料金設定はさまざまです。
ご自身の予算を考慮したうえで、クリニックを決めてください。

【関連記事】
シミ取りにはレーザーがいい?注意点や効果について解説
夏にレーザー治療をしてはいけない?夏は避けるべきと言われる理由を解説

 

光治療

光治療とは、特殊な波長の光を皮膚に照射し、メラニンやヘモグロビンを破壊して、シミを除去する治療方法のことです。
シミやそばかすはもちろん、ニキビ跡や毛穴などあらゆる肌悩みにアプローチできます。
また、レーザー治療と比べて照射時間も長いので、複数の肌悩みを抱えている方にぴったりです。

 

しかし、光アレルギーやヘルペスがある方は光治療を受けられないので、別の方法を検討しましょう。

 

なお、光治療は保険適用外の自由診療という扱いになります。
照射する部位や受診する美容皮膚科によって、料金に違いがある点を覚えておきましょう。

 

内服薬・外用薬

実は、シミ取りの治療は内服薬や外用薬でも行えます。

 

レーザー治療や光治療と比べて即効性はないものの、根気強く続けることでシミのお悩みの解消に効果が期待できます。

 

処方箋の場合も、皮膚疾患と診断されれば保険が適用された価格で購入することが可能です。
しかし、保険適用ではないシミに該当した際は、自由診療である美容皮膚科で薬を処方してもらうこととなります。

 

美容皮膚科では、美容内服セットとして肌悩み別に、複数の内服薬を販売しているところがあります。
そこでよく処方される薬の成分は、トラネキサム酸やハイドロキノン、ビタミンB6などです。

 

上記はあくまでも一例で、シミの種類や濃さによって処方される薬は異なるので、自己判断で服用せず、信頼できる美容皮膚科に相談してみましょう。

関連記事:薄いシミをレーザーで治療するのは難しい?理由を解説

 

シミ取りを受ける際の美容皮膚科の選び方

ご自身のシミが保険適用外の場合、シミ取りの際には信頼できる美容皮膚科を選びたいものです。
そこでここからは、美容皮膚科を選ぶ際の基準を紹介しますので、参考になさってください。

 

シミの種類に合った治療方法を選ぶ

まずは、ご自身のシミの種類に適した治療を受けられる美容皮膚科を選びましょう。

 

シミは誤った治療を受けると、最悪の場合悪化してしまうおそれがあります。
シミ取り治療を行う美容皮膚科を選ぶ際は、口コミや実績を確認して、専門的な知識や技術を有している医師が在籍しているかどうかを判断基準としてください。

 

また、カウンセリング時に症例写真を見せてもらうことで、シミがどのような経過を経て軽減されるのかが、より具体的にわかります。

 

シミ取りの料金を確認する

シミ取りを行う前に、どの程度の費用がかかるのかを確認することも大事なポイントです。

 

ご自身のシミが、保険適用では治療できないと診断された場合、美容皮膚科で治療を進めることとなります。
クリニックによっては料金設定が異なるため、予算を大幅に超えてしまうかもしれません

 

そのため、事前にクリニックのホームページで施術内容や、内服薬の費用を調べて検討するのが重要です。
それでも不明点や不安なことがあれば、来院を検討している美容皮膚科に直接問い合わせて確認しましょう。

 

通いやすい場所にある美容皮膚科を選ぶ

美容皮膚科は、自宅や会社などから通院しやすい場所を選ぶと、通院時の負担が軽減されます。

 

シミ取りは一度の施術で終了することもありますが、シミの範囲が広範囲だったり、濃かったりすると通院が必要です。
また、ダウンタイム中に副作用を起こしてしまう可能性もあるので、緊急時のことも考慮して、自宅や職場から近いクリニックを選ぶとよいでしょう。

 

シミ取りに関する質問

シミ取りの治療に関して、多くの方々から寄せられる質問にお答えします。

 

シミ取りのレーザー治療で痛みを感じることはある?

シミ取りのレーザー治療を行うときには、輪ゴムでパチンと弾かれたような痛みや、やけどのようなヒリヒリとした痛みが生じることがあります。

 

施術中の痛みに不安を感じる方は、麻酔を使用することも可能です。
また、痛みをほとんど感じない光治療や、外用薬・内服薬での治療も視野に入れてみてください。

 

シミ取りは1回で終わる?

シミ取りの治療回数には個人差があり、1回で済む場合もあれば、数週間ほど通院して治療が完了するケースもあります。

 

具体的な回数は、シミの種類や濃さ、大きさなどによって異なります。
また、「目立つシミだけ消してほしい」「シミは綺麗に消してほしい」など、治療に対する要望もさまざまです。
したがって、美容皮膚科では治療を始める前に、患者さまの希望を聞いて治療回数を決めます。

 

シミをとるまでの期間が決まっている場合は、カウンセリングの際に医師に相談してみましょう。

 

【関連記事】
シミ治療で人気のある美容皮膚科の施術ランキングTOP3
シミを消したい!治療法ごとのメリット、デメリットをご紹介

 

シミ取りは皮膚疾患に該当するもののみ、保険適用で受けられる

今回は、保険適用で治療できるシミの種類や、主な治療方法を紹介しました。

 

シミは、皮膚疾患だと診断された場合のみ、治療に際して保険が適用されます。
それ以外のシミは自由診療の扱いとなり、保険適用よりも費用が高くなりがちなので、美容皮膚科を選ぶ際は複数検討して料金を比較してみてください。

 

また、シミ取りの治療方法には、主にレーザー治療や光治療、内服薬・外用薬などがあります。
医師と相談したうえで、ご自身に合った治療方針を決めましょう。

 

なお、シミは自己判断で対処しようとすると、悪化してしまう危険性があります。
そのため、必ず一般皮膚科や美容皮膚科で治療を受けてください。

 

藤井クリニックでは無料カウンセリングで、それぞれのお悩みに合った施術を提案いたします。
お気軽にご相談ください。

 

コラム一覧に戻る