公開日: 2025年05月26日

更新日: 2025年05月30日

ボトックス注射はほうれい線にも効果的?利点・欠点も解説

 

年齢とともに目立ちやすい「ほうれい線」に、お悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

 

ほうれい線対策として注目されているボトックス注射ですが、ほうれい線のタイプによっては効果に差が出やすい点に注意が必要です。

 

この記事では、ボトックス注射を打つ際のほうれい線への効果をはじめ、メリット・デメリットやほかの美容医療との違いを分かりやすく解説します。

 

今できる最適なケア選びの参考にしてみてください。

 

ボトックス注射はほうれい線にも効果がある?

ボトックス注射は、筋肉の動きを抑えてほうれい線を目立ちにくくする施術です。表情筋の動きによってできるほうれい線に対して、一定の効果が期待できるでしょう。
笑ったときにほうれい線が目立つ場合、筋肉の緊張を抑えれば進行を防げる可能性があります。

 

ただし、ほうれい線のタイプによっては、ボトックス注射単独では十分な改善が難しいケースもあるため、注意が必要です。

ほうれい線の原因によって適した治療法が異なるため、まずは専門医による診断を受けることが大切です。

 

ほうれい線へのボトックス注射の効果

ほうれい線が目立ちやすい方にもボトックス注射をうまく活用すれば、以下の効果が得られるでしょう。

  • フレッシュな印象に近づく
  • ほうれい線の予防につながる

詳しく解説します。

 

フレッシュな印象に近づく

ボトックス注射は筋肉の動きを和らげて過度なシワの出現を抑え、自然な表情を保ちながらも若々しくフレッシュな印象を与えられます。

 

ボトックス注射により笑ったときに出るほうれい線が浅くなり、表情全体が明るく見えます。

笑顔に自信がつき、顔全体の第一印象をよくする効果に期待できるでしょう。

 

ほうれい線の予防につながる

表情筋の動きを抑えれば、将来的なほうれい線の悪化予防にもつながります。

 

日常の笑顔や会話による表情筋の動きで皮膚に折り目の定着により、ほうれい線は次第に目立ってきます。

 

ボトックス注射で表情筋の動きを一時的に抑えれば、皮膚にかかる負担(シワの折り目)を減らし、ほうれい線が深くなるのを未然に防ぐ効果が期待できるでしょう。

 

ほうれい線にボトックス注射を打つメリット

ボトックス注射は手軽に受けられるうえに、さまざまなメリットが期待できる治療法です。

ここでは、ほうれい線へのボトックス注射で得られる以下のメリットを解説します。

  • メリット①リスクを軽減できる
  • メリット②左右のバランスが整う

 

メリット①リスクを軽減できる

ボトックス注射はメスを使わず注射のみで施術が完了するため、身体への負担が少なく、ダウンタイムもほとんどありません。

 

また、ヒアルロン酸注入や外科的なリフトアップよりも、リスクや副作用の可能性は低めとされています。

 

万が一、効果や仕上がりに違和感がある場合でも、時間の経過とともに自然に効果が薄れるため、安心して施術を受けられるでしょう。

 

メリット②左右のバランスが整う

笑ったときや普段の表情のクセで、左右どちらか一方のほうれい線が深くなりやすい方もいます。ボトックス注射は、筋肉の動きに合わせて微調整できるため、左右のバランスを整えながら、より自然な表情を目指せます。

 

片側だけほうれい線が気になる方にも、適切な調整でナチュラルな仕上がりをサポートできる治療法です。

 

ほうれい線にボトックス注射を打つデメリット

ボトックス注射は比較的リスクの少ない治療法ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。

ここでは、ほうれい線にボトックス注射を行う際に考えられる以下のデメリットを解説します。

  • デメリット①痛みが生じる
  • デメリット②定期的なメンテナンスが必要になる

デメリット①痛みが生じる

ボトックス注射を行うと、施術の際にチクッとした痛みを感じることがあります。

 

個人差はありますが、痛みは一般的に数秒〜数分程度でおさまる軽いものです。

 

不安な方には、麻酔クリームを使用して痛みを軽減する対策も可能なので、カウンセリング時に相談しましょう。

 

デメリット②定期的なメンテナンスが必要になる

ボトックスの効果は永続的ではなく、通常3〜6ヶ月程度で徐々に効果が薄れていきます。

 

そのため、ほうれい線の目立ちにくい状態を維持するためには、定期的な施術を継続する必要があります。

 

忙しい方や頻繁に通院するのが難しい方は、あらかじめ施術のスケジュールの計画を立てておくと安心です。

 

ほうれい線へのボトックス注射が向いている方の特徴

ボトックス注射は、特定のタイプの方には高い効果が期待できます。

 

ここでは、ボトックス注射が向いている方の具体的な以下の特徴を紹介します。

  • 笑ったときにほうれい線が気になる方
  • ほうれい線に左右差がある方

 

笑ったときにほうれい線が気になる方

普段はそれほど気にならないものの、笑ったときにほうれい線が深く出る方は、ボトックス注射による改善に期待できます。

 

笑ったときにほうれい線が深く出る場合は、筋肉(表情筋)の収縮がおもな原因です。

 

ボトックス注射は筋肉の動きを和らげ、過剰な収縮を抑える作用があります。

 

そのため、笑ったときのほうれい線には、筋肉の動きを抑えるボトックス注射がおすすめです。

 

ほうれい線に左右差がある方

左右どちらかのほうれい線だけが目立つ方も、ボトックス注射で筋肉のバランスを整えれば、自然な仕上がりが期待できます。

 

無意識のうちに片側ばかりで咀嚼していたり、頬の筋肉の使い方に偏りがある場合、左右差が生まれやすくなります。

 

ボトックスは片側だけに適量を調整して注入できるため、ナチュラルな左右対称の仕上がりを目指したい方にも向いているでしょう。

 

ボトックス注射の効果がないほうれい線のタイプは?

ボトックス注射は、すべてのタイプのほうれい線に効果があるわけではありません。

 

とくに、以下のようなタイプのほうれい線には、ボトックス注射だけでは十分な効果を得るのが難しい場合もあります。

  • 皮膚のたるみによるほうれい線
  • 骨格が原因のほうれい線
  • 複数の原因が重なってできるほうれい線

 

皮膚のたるみによるほうれい線

加齢による皮膚のたるみが原因の場合、たるんだ皮膚自体を引き上げる必要があり、ボトックス注射だけでは根本的な改善が難しいでしょう。

 

皮膚のたるみは、加齢とともに肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンが減少することで生じます。

 

皮膚のたるみによる溝は、筋肉の動きを抑えるボトックス注射の治療だけでは効果が出にくい特徴があります。

 

そのため、ヒアルロン酸注入やリフトアップ施術など、たるみに直接アプローチする方法が必要です。

 

骨格が原因のほうれい線

骨格に起因するほうれい線は、表情筋の動きだけが原因ではないため、ボトックス注射だけでは改善しにくいでしょう。

 

たとえば、頬骨が高い方や鼻と口元の距離(鼻唇距離)が長めの方、顎が小さめの方などは、顔の構造上ほうれい線が深く刻まれます。

 

骨格が原因の場合は、ヒアルロン酸注入でほうれい線の溝を持ち上げ、フェイスライン全体のバランスを整える治療法が適しています。

 

複数の原因が重なってできるほうれい線

たるみ・骨格・表情筋の動きといった複数の要因が重なっている場合も、ボトックス注射単独では十分な効果が得られないケースがあります。

 

複数の原因が考えられる場合、以下のようにいくつかの施術を組み合わせた総合的なアプローチが必要になるでしょう。

  • ヒアルロン酸注入でボリュームを補う
  • リフトアップ施術でたるみを引き上げる
  • 表情筋の過剰な動きをボトックスで抑える

ほうれい線の状態は一人ひとり異なるため、まずは原因を正確に見極めたうえで、自分に合った治療法を選択することが大切です。

 

ほうれい線の改善に役立つボトックス注射以外の美容医療

ボトックス注射は皮膚のたるみや骨格の影響が大きい場合には、ほかの治療法を組み合わせれば、より高い改善に期待できます。

 

ボトックス以外にも、ほうれい線のケアに役立つ美容医療はいくつかあります。代表的な施術を、表にまとめました。

 

施術 特徴
ヒアルロン酸注入 ヒアルロン酸をほうれい線部分に注入し、内側からボリュームを持たせて、溝をふっくらと持ち上げる施術
糸リフト 皮膚の下に特殊な糸を挿入し、たるんだ組織を引き上げる施術
HIFU(高密度焦点式超音波) 高密度の超音波を肌の深層に照射し、たるみを引き締める施術

 

とくに、ほうれい線を改善したい方は「ヒアルロン酸注入」がおすすめです。

 

加齢やたるみによって失われた皮膚のハリやボリュームを直接補えるため、深く刻まれたほうれい線にも即効性があり、高い効果を実感しやすいでしょう。

 

眉間のシワを改善するためにできること

ほうれい線と同じく、表情ジワが気になる部位で多いのが眉間のシワです。

 

眉間のシワは、年齢を重ねるごとに深くなりやすく、顔全体の印象を険しく見せる原因にもなります。

 

無意識に眉間に力が入りやすい方はシワが刻まれやすいため、早めに以下の方法でのケアを始めましょう。

  • ボトックス注射で筋肉の動きを抑える
  • スキンケアで肌のハリを保つ
  • 表情のクセを改善する

なお、眉間へのボトックス注射は、深く刻まれる前に打つのが効果的です。シワが浅い段階でボトックス注射を打つと、未然に防ぎやすくなります。

 

すでにシワが定着している場合でも、これ以上悪化しないよう進行を抑える効果が期待できるでしょう。

ほうれい線へのヒアルロン酸注入がおすすめのケース

ほうれい線の溝が深い、たるみが強い場合にはヒアルロン酸注入が効果的です。

 

以下のようなケースでは、ボトックス注射よりもヒアルロン酸注入が効果的な場合もあります。

  • ほうれい線の溝が深く刻まれている場合
  • 骨格の影響でほうれい線が目立つ場合
  • すぐに見た目の変化を実感したい場合

ヒアルロン酸注入は施術直後から効果を実感しやすく、ダウンタイムも短いため、早く効果を実感したい方におすすめです。

 

なお、ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分です。そのため安全性が高く、時間の経過とともに自然に吸収される点でも安心できるでしょう。

 

まとめ

ほうれい線に対するボトックス注射は、笑った際の表情ジワの緩和やほうれい線の進行を予防する効果に期待できます。

 

ただし、皮膚のたるみや骨格の影響によって深く刻まれたほうれい線には、ボトックスだけでは十分な改善が難しいケースもあります。

 

ヒアルロン酸注入やリフトアップ施術など、症状に合わせた施術を組み合わせることで、より満足度の高い結果が得られるでしょう。

 

まずはご自身のほうれい線の原因や状態を正しく把握し、専門医と相談しながら、最適な治療プランを選ぶことが大切です。

この記事を書いた人

藤井 靖成

藤井 靖成

大阪・梅田 藤井クリニック院長

総合内科内科専門医であると同時に消化器内視鏡専門医・指導医として従事。
胃がん大腸がんに対する内視鏡検査・手術を通して磨いた技術と豊富な経験を活かしながら、美容外科の技術も習得し約400,000例の美容外科施術経験を積む。また、皮膚額をベースとするスキンケア医療に取り組む。
「楽しく生きる」をコンセプトに、自身が理想とする医療を追い求めるため、2007年5月 大阪・梅田に「藤井クリニック」を開院。
開院以来、美容整形手術ではない、自然な綺麗さや若返りを目的としたメスを使わない美容医療を提供し、約20年間で180000例以上の実績を持つ。

ドクターズインタビューはこちら


略歴

智弁学園和歌山中学・高等学校卒
和歌山県立医科大学卒(平成6年3月)
和歌山県立医科大学付属病院 第二内科学教室入局
日赤和歌山医療センター 麻酔科
国保日高総合病院 内視鏡室 室長
大手美容外科 勤務
亀田総合病院 研修
東京大学医学部付属病院 研修
藤井クリニック開院・院長就任(平成19年5月)
藤井クリニック大阪駅前開院(平成23年5月)


認定・所属学会

日本内科学会 認定医・専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本肝臓学会専門医
総合内科専門医
日本消化器がん検診学会 会員
日本超音波医学会 会員
日本美容外科学会 会員
日本美容外科医師会 会員
日本美容皮膚科学会 会員
日本抗加齢医学会 会員
日本抗加齢美容医療学会 会員
日本レーザー医学会 会員


認定資格一覧
  • サーマクール認定医
  • ウルセラ認定医
  • クールスカルプティング認定医
  • ライポソニックス認定医
  • レスチレーン認定医
  • マクロレーン認定医
  •  
  • アラガンバイクロス認定医
  • アラガンハイラクラス認定医
  • ボトックスビスタ認定医

コラム一覧に戻る