糸リフトの失敗とは?原因・予防法・対処法を完全解説

10秒でわかるこの記事の要約
  • 「糸リフトを受けたいけれど、失敗が怖い」「どんな失敗があるのか知りたい」「失敗を避けるにはどうすればいいのか」——糸リフトを検討される方、あるいはすでに施術を受けたものの仕上がりに不安を感じている方から、「失敗」に関するご相談を数多くいただきます。
  • 特に30代後半から50代後半の、仕事や家庭で重要な役割を担う世代の方々にとって、「失敗」は単なる美容上の問題ではなく、日常生活や社会的な立場にも影響を及ぼしかねない深刻な懸念ではないでしょうか。修正にかかる時間やコスト、心理的なストレス——これらを考えると、慎重になるのは当然のことです。
  • しかし、「失敗」という言葉に過度に不安を感じる必要はありません。糸リフトの「失敗」とは何を指すのか、どのような原因で起こるのか、そしてどうすれば予防できるのかを正しく理解すれば、多くの失敗は避けることができます。また、万が一満足できない結果になった場合でも、適切な対処によって改善できる可能性があります。
  • 本記事では、糸リフトの「失敗」について、その定義から具体的なパターン、原因、予防法、そして万が一失敗した場合の対処法まで、医学的根拠に基づいて正直かつ冷静に解説します。過度に不安を煽るのではなく、正しい知識と適切な医師選びによって、安心して施術を受けていただくための一助となれば幸いです。
糸リフトの「失敗」とは?【定義と実態】 まず、糸リフトにおける「失敗」とは何を指すのかを明確にしておく必要があります。 「失敗」の定義 糸リフトの「失敗」は、大きく2つに分けられます。 医学的な失敗:合併症(感染、血管塞栓、神経損傷など)が起こった場合 期待との乖離:効果が不十分、または仕上がりが期待と異なる場合 重要なのは、「期待との乖離」が必ずしも医師の技術的な失敗を意味するわけではないという点です。患者様の期待値が現実的でなかった場合、あるいはコミュニケーション不足によって生じる場合もあります。 何を「失敗」と呼ぶか 一般的に「失敗」と呼ばれるのは、以下のような状態です。 見た目の失敗:不自然な引き上がり、左右差、凹凸、引きつれ、糸が透けて見える 効果の失敗:効果がない、効果が弱い、すぐに戻った 機能的な失敗:表情が作れない、笑えない、痛みが続く 合併症:感染、血管塞栓、神経損傷、糸の露出 失敗の発生頻度 糸リフトにおける「失敗」の発生頻度は、定義によって大きく異なります。 重篤な合併症:極めて稀(1%未満) 軽度の副作用:一般的(腫れ、内出血などはほぼ全例に起こり得る) 期待との乖離:10~30%程度(主観的な評価のため正確な数値化は困難) 適切な医師選びと術前のコミュニケーションによって、多くの「失敗」は予防可能です。 「失敗」と「正常な経過」の違い 施術直後から数週間は、以下のような症状が現れることがありますが、これらは多くの場合「正常な経過」であり、「失敗」ではありません。 腫れ:1~2週間程度で自然に改善 内出血:1~2週間程度で自然に吸収 引きつれ感:1~3ヶ月で糸が馴染むとともに改善 違和感:時間とともに軽減 軽度の左右差:腫れが引くとともに目立たなくなることが多い これらの症状が時間とともに改善しない場合や、日に日に悪化する場合は、医師に相談が必要です。 重要なポイント:「失敗」の多くは、適切な医師選び、現実的な期待値の設定、十分なコミュニケーション、そして術後ケアの徹底によって予防可能です。過度に不安を感じる必要はありませんが、正しい知識を持つことが重要です。 糸リフトで起こり得る失敗のパターン【具体例】 糸リフトで起こり得る失敗のパターンを、具体的に見ていきましょう。 見た目の失敗 1. 不自然な引き上がり 症状:顔が過度に引っ張られたような不自然な見た目 発生頻度:5~10%程度 原因:過度な本数、強すぎる牽引、不適切な角度 対処法:時間とともに馴染む場合もあるが、改善しない場合は糸の一部除去 2. 左右差 症状:顔の左右で引き上がり方が明らかに異なる 発生頻度:10~20%程度(軽度のものを含む) 原因:元々の顔の左右差、糸の挿入位置・本数の左右差、腫れの出方の違い 対処法:腫れが引いてから評価、改善しない場合は追加施術や修正 3. 凹凸・でこぼこ 症状:皮膚の表面がでこぼこして見える、触ると凹凸がある 発生頻度:5~10%程度 原因:糸が皮膚表面に近すぎる、糸が束になっている 対処法:軽度の場合は時間とともに目立たなくなる、目立つ場合は糸の一部除去 4. 引きつれ 症状:笑ったり話したりする時に皮膚が引きつれる 発生頻度:ほぼ全例(軽度)、10%程度(中等度以上) 原因:糸による組織の牽引、過度な本数 対処法:多くは1~3ヶ月で改善、改善しない場合は糸の除去を検討 5. 糸が透けて見える 症状:皮膚の下に糸が透けて見える、青っぽく見える 発生頻度:3~5%程度 原因:皮膚が薄い、糸が皮膚表面に近すぎる 対処法:糸の一部除去、またはヒアルロン酸で目立たなくする 効果の失敗 1. 効果がない 症状:施術前と変わらない、リフトアップ効果を実感できない 発生頻度:5~15%程度 原因:本数が不足、糸の種類が適切でない、たるみが強すぎる、期待値が高すぎる 対処法:追加施術、他の治療法との併用を検討 2. 効果が弱い 症状:期待していたほどの効果が得られない 発生頻度:10~20%程度 原因:たるみの程度に対して本数が不足、皮膚の厚さや質、期待値とのギャップ 対処法:追加施術、他の治療法との併用 3. すぐに戻った 症状:施術後1~3ヶ月程度で効果がなくなった 発生頻度:5~10%程度 原因:糸の種類、挿入位置・深さの問題、組織の特性 対処法:より持続性の高い糸への変更、他の治療法との併用 合併症 1. 感染 症状:強い痛み、腫れ、発熱、膿 発生頻度:1~3%程度 原因:不十分な衛生管理、術後ケア不足 対処法:抗生物質の投与、必要に応じて糸の除去 2. 血管塞栓 症状:皮膚が白く・紫色になる、強い痛み、水疱 発生頻度:極めて稀(0.1%未満) 原因:糸が血管を圧迫または閉塞 対処法:緊急で糸の除去、血流改善の処置 3. 神経損傷 症状:顔面の一部が動かない、しびれ、感覚の喪失 発生頻度:極めて稀(0.5%未満) 原因:糸が神経を損傷 対処法:糸の除去、神経再生を促す治療 4. 糸の露出 症状:糸の端が皮膚から飛び出す 発生頻度:1~2%程度 原因:糸の固定不良、皮膚の菲薄化 対処法:露出した糸の切除、必要に応じて糸全体を除去 その他の失敗 痛みが続く 症状:施術後2週間以上経っても痛みが続く、日に日に悪化する 原因:感染、神経への刺激、炎症 対処法:医師に相談、必要に応じて糸の除去 表情が不自然 症状:笑顔が作りにくい、表情が硬い 原因:過度な牽引、不適切な位置への挿入 対処法:時間とともに改善する場合もあるが、改善しない場合は糸の除去 緊急性の高い症状:強い痛み、発熱、皮膚の色の変化(白く・紫色になる)、顔面の一部が動かない、視力の変化などの症状が現れた場合は、すぐにクリニックに連絡してください。 糸リフトが失敗する原因【なぜ失敗するのか】 糸リフトの失敗を予防するには、まず「なぜ失敗するのか」を理解する必要があります。 医師側の原因 1. 経験不足 糸リフトの症例数が少ない 様々なケースへの対応経験が乏しい 失敗への対処経験がない 2. 技術不足 糸の挿入位置・深さ・角度の判断が適切でない 左右対称に挿入できない 丁寧さに欠ける 3. デザイン力不足 顔全体のバランスを考慮できていない 患者様の希望を適切に形にできない 年齢に応じた自然なデザインができない 4. 解剖学的知識不足 血管や神経の走行を正確に理解していない 顔面の解剖構造を把握していない 危険な部位を避けられない 5. 不適切な糸の選択 患者様の状態に合わない糸を選択 質の低い糸を使用 適切な本数を判断できない 6. コミュニケーション不足 患者様の希望を十分に理解していない リスクや限界を適切に説明していない 現実的な期待値を共有できていない 患者側の原因 1. 適応外 たるみが強すぎる(糸リフトでは改善が困難) 皮膚が薄すぎる 骨格的な問題がある 2. 期待値が高すぎる フェイスリフト手術並みの効果を期待 一度の施術で完璧な仕上がりを期待 劇的な変化を期待 3. 術後ケア不足 禁止事項を守らない(激しい運動、マッサージ、うつ伏せ寝など) 処方薬を適切に服用しない 異常を感じても放置する 4. 不適切なクリニック選び 「安さ」だけで選ぶ 医師の経験・実績を確認しない カウンセリングで納得せずに施術を受ける その他の原因 糸の品質 質の低い糸を使用している 承認されていない糸を使用している クリニックの体制 衛生管理が不十分 アフターフォロー体制が整っていない 緊急時の対応体制がない 失敗しやすい人・失敗しにくい人 糸リフトの失敗リスクは、患者様の状態によっても異なります。 失敗しやすい人の特徴 皮膚が非常に薄い:凹凸や糸が透けて見えるリスクが高い たるみが非常に強い:糸リフトでは改善が困難、効果不足と感じやすい 骨格的な問題がある:左右差が出やすい、効果が不均等になりやすい 過去に多数の施術歴がある:組織が硬くなっている、予測が困難 非現実的な期待を持っている:期待とのギャップが生じやすい ケロイド体質:糸の周囲にしこりができやすい 喫煙者:血行が悪く、感染リスクや回復遅延のリスクが高い 失敗しにくい人の特徴 適度なたるみがある:糸リフトの適応範囲内 皮膚に適度な厚さがある:凹凸や糸の透けが目立ちにくい 現実的な期待を持っている:満足度が高い 医師とのコミュニケーションが良好:期待値のすり合わせができている 術後ケアを徹底できる:回復が順調、トラブルが少ない 適切なクリニックを選んでいる:経験豊富な医師、充実したアフターフォロー 自分が適応かどうかの判断基準 以下のチェックリストで自己評価してみましょう。 たるみは軽度~中等度か(強すぎないか) 皮膚の厚さは普通~やや厚めか 骨格的な問題はないか 過去の施術歴は多すぎないか 現実的な期待を持っているか 術後ケアを徹底できるか 禁煙できるか(または喫煙していないか) 不安な点があれば、カウンセリング時に医師に相談してください。 糸リフトの失敗を予防する方法【最も重要】 失敗を予防するための最も効果的な方法を解説します。 医師選びが最重要 糸リフトの成否は、医師の経験と技術に大きく左右されます。以下のポイントを確認してください。 1. 糸リフトの経験が豊富 症例数1000件以上が目安 様々なケースへの対応経験がある 長期的なフォローアップ経験がある 2. 修正治療の経験が豊富 失敗を扱った経験がある 他院での失敗の修正経験がある トラブルへの対処法を熟知している 3. 解剖学的知識が豊富 血管や神経の走行を正確に理解している 顔面の解剖構造を熟知している 危険な部位を避けられる 4. デザイン力がある 顔全体のバランスを考慮できる 年齢に応じた自然なデザインができる 患者様の希望を適切に形にできる カウンセリングで確認すべきポイント 1. 使用する糸について 糸の種類(PDO、PCL、PLLAなど) 糸の品質(承認されているか、メーカーなど) なぜその糸を選ぶのか 2. 挿入本数について 何本挿入するのか なぜその本数なのか 部位ごとの内訳 3. 期待できる効果について 現実的にどの程度の効果が期待できるか 効果が出るまでの期間 効果の持続期間 4. リスクについて どのようなリスクがあるか 発生頻度はどの程度か リスクを最小限にする対策 5. 修正方針について 満足できない場合の対応 修正治療の方法 修正治療の費用負担 適応の見極め 糸リフトが自分に適しているかどうかを冷静に判断することが重要です。 医師が「適応外」と判断した場合は、その意見を尊重する 他の治療法の方が適している場合は、柔軟に検討する 無理に糸リフトにこだわらない 術後ケアの徹底 術後ケアを徹底することで、失敗のリスクを減らせます。 禁止事項を守る(激しい運動、マッサージ、うつ伏せ寝など) 処方薬を指示通り服用する 異常を感じたらすぐに連絡する 定期的な診察を受ける セカンドオピニオンの活用 一つのクリニックだけで決めず、複数のクリニックで相談することをお勧めします。 異なる視点からの意見を聞ける 治療方針や費用を比較できる より納得できる選択ができる ただし、あまりに多くのクリニックを回ると迷いが深まるため、2~3院程度が適切です。 「安さ」で選ばないこと 「安さ」を最優先にすることは、失敗のリスクを高めます。 経験の浅い医師が担当する可能性 質の低い糸を使用している可能性 アフターフォローが不十分な可能性 適正価格で、信頼できる医師による施術を受けることが、結果的に最も経済的です。 失敗を予防するための最重要ポイント:経験豊富で信頼できる医師を選ぶこと、カウンセリングで十分なコミュニケーションを取ること、現実的な期待値を持つこと、術後ケアを徹底すること。これらを実践すれば、多くの失敗は予防できます。 失敗した場合の対処法【修正治療】 万が一、満足できない結果になった場合の対処法を解説します。 いつクリニックに連絡すべきか すぐに連絡すべき症状(緊急性が高い) 強い痛みが日に日に悪化する 発熱(38度以上) 皮膚が白く・紫色になる 顔面の一部が動かない 視力の変化 膿が出る 早めに連絡すべき症状(緊急性は中程度) 1週間経っても腫れが引かない 痛みが改善しない 糸が露出している 明らかな左右差がある 凹凸が目立つ 様子を見てもよい症状(緊急性は低い) 軽度の腫れ(1~2週間で改善傾向) 内出血(1~2週間で吸収) 引きつれ感(1~3ヶ月で馴染む) 違和感(時間とともに軽減) 修正治療の方法 1. 糸の除去 適応:不自然な引き上がり、強い引きつれ、糸の露出、感染など 方法:局所麻酔下で糸を除去 効果:多くの場合、元の状態に近づく タイミング:緊急性が高い場合はすぐに、そうでない場合は腫れが引いてから 2. 糸の追加 適応:効果不足、左右差(片側のみ追加) 方法:不足している部分に糸を追加 タイミング:初回施術から3ヶ月以上経過してから 3. ヒアルロン酸での修正 適応:凹凸、糸が透けて見える 方法:凹んでいる部分にヒアルロン酸を注入 効果:表面を滑らかにする、糸を目立たなくする 4. 経過観察 適応:軽度の引きつれ、違和感、軽度の左右差 方法:時間とともに改善するのを待つ 期間:1~3ヶ月程度 修正治療のタイミング すぐに対処すべき:感染、血管塞栓、神経損傷、糸の露出 腫れが引いてから評価:左右差、凹凸、不自然な引き上がり(1~2週間後) 時間を置いてから検討:引きつれ感、効果不足(1~3ヶ月後) 修正治療の費用 保証制度がある場合 無料で修正治療を受けられる 条件を確認する(期間、回数など) 保証制度がない場合 追加費用が発生する 糸の除去:10万円~30万円程度 糸の追加:初回と同程度 ヒアルロン酸:5万円~20万円程度 セカンドオピニオンを求めるべきケース 施術を受けたクリニックの対応に不安がある 修正方針に納得できない 改善の見込みが分からない 他の選択肢を知りたい 修正治療が困難なケース 神経損傷(完全な回復が困難な場合がある) 皮膚の壊死(瘢痕が残る可能性がある) 長期間放置した合併症 これらのケースでも、早期対応によって改善できる可能性があります。諦めずに専門医に相談してください。 「失敗かも?」と思ったら【セルフチェック】 施術後に不安を感じた時のセルフチェック方法です。 これは失敗か、正常な経過か 症状 正常な経過の可能性が高い 失敗の可能性がある 腫れ 1~2週間で徐々に改善 朝が強く夕方には軽減 1週間経っても改善しない 日に日に悪化する 内出血 1~2週間で自然に吸収 青紫→黄色→消失 2週間経っても消えない 範囲が広がる 引きつれ感 1~3ヶ月で徐々に馴染む 日常生活に支障なし 3ヶ月経っても改善しない 日常生活に支障がある 違和感 時間とともに軽減 慣れてくる 時間が経っても改善しない 日に日に強くなる 左右差 腫れが引くと目立たなくなる 軽度 腫れが引いても明らか 中等度以上 時間とともに改善するもの vs すぐに対処が必要なもの 時間とともに改善するもの 腫れ(1~2週間) 内出血(1~2週間) 軽度の引きつれ感(1~3ヶ月) 違和感(徐々に) 軽度の左右差(腫れが引くとともに) すぐに対処が必要なもの 強い痛み(日に日に悪化) 発熱 皮膚の色の変化(白く・紫色) 顔面の一部が動かない 視力の変化 膿が出る 糸の露出 緊急性の高い症状 以下の症状は、重篤な合併症の可能性があります。すぐにクリニックに連絡してください。 皮膚が白くなる、または紫色になる(血管塞栓の疑い) 強い痛み + 発熱(感染の疑い) 顔面の一部が動かない(神経損傷の疑い) 視力の低下、視野の欠損(血管塞栓の疑い) 水疱ができる(皮膚壊死の疑い) クリニックに連絡すべきタイミング 緊急性の高い症状が現れたら、すぐに 痛みや腫れが1週間経っても改善しない場合 不安な症状がある場合(遠慮せずに) 「これは普通なのか」と疑問に思った場合 糸リフトの失敗に関する誤解 糸リフトの失敗について、いくつかの誤解が広まっています。正しい理解のために、よくある誤解を解いておきましょう。 誤解1:「失敗したら元に戻せない」 誤解の内容 「糸リフトで失敗したら、一生そのままだ」という誤解です。 正しい理解 糸は除去可能です。ほとんどの場合、糸を除去すれば元の状態に近づきます。フェイスリフト手術と比べて、修正の難易度は低いと言えます。 誤解2:「高いクリニックなら失敗しない」 誤解の内容 「高額なクリニックで施術を受ければ、失敗はない」という誤解です。 正しい理解 価格と失敗のリスクは必ずしも相関しません。重要なのは、医師の経験と技術、そしてアフターフォロー体制です。高額でも経験の浅い医師もいれば、適正価格で優れた技術を持つ医師もいます。価格ではなく、医師の実績と信頼性で選ぶことが重要です。 誤解3:「失敗は医師のせいだけ」 誤解の内容 「失敗は全て医師の技術不足が原因」という誤解です。 正しい理解 失敗の原因は医師側だけではありません。患者様側の要因(適応外、期待値が高すぎる、術後ケア不足など)も関係します。また、糸の品質やクリニックの体制なども影響します。失敗を防ぐには、医師と患者様の双方の協力が必要です。 誤解4:「効果がないのは失敗」 誤解の内容 「期待していた効果が得られなかったのは失敗だ」という誤解です。 正しい理解 効果の感じ方は主観的です。「効果がない」と感じても、それが必ずしも医学的な失敗を意味するわけではありません。期待値が現実的でなかった場合、あるいはたるみが強すぎて糸リフトの適応範囲外だった場合もあります。カウンセリングで現実的な期待値を共有することが重要です。 誤解5:「失敗したら一生そのまま」 誤解の内容 「一度失敗したら、もう改善できない」という誤解です。 正しい理解 多くの失敗は、修正治療によって改善可能です。糸の除去、糸の追加、ヒアルロン酸での修正など、様々な方法があります。諦めずに、修正治療に経験豊富な医師に相談してください。 糸リフトと他の治療法の失敗リスク比較 治療法 糸リフト ヒアルロン酸注射 ボトックス注射 ウルセラ・サーマクール フェイスリフト手術 失敗のリスク 中程度 適切な医師選びで予防可能 低~中程度 技術による差が大きい 低程度 可逆性が高い 低程度 重篤な失敗は稀 中~高程度 侵襲が大きい 失敗の種類 不自然な引き上がり、左右差、凹凸、効果不足、感染、神経損傷 不自然な膨らみ、左右差、しこり、血管塞栓、失明(極めて稀) 表情の不自然さ、左右差、過度な弛緩 火傷、神経損傷(極めて稀) 傷跡、血腫、感染、神経損傷、不自然な引き上がり 修正の難易度 低~中程度 糸を除去すれば元に近づく 低い 溶解酵素で除去可能 低い 時間とともに戻る 高い 元に戻せない 高い 再手術が必要 修正の方法 糸の除去、糸の追加、ヒアルロン酸での修正 溶解酵素(ヒアルロニダーゼ)での除去、追加注入 時間経過を待つ(3~6ヶ月) 修正は困難 時間経過を待つ 再手術 傷跡は残る可能性 元に戻せるか ほぼ可能 糸を除去すれば元に近づく 可能 溶解酵素で除去可能 可能 時間とともに戻る 困難 元には戻せない 困難 傷跡は残る ※個人差があります。上記は一般的な目安です。 失敗パターン別の対処法一覧 失敗のパターン 原因 対処法 修正方法 予防策 不自然な引き上がり 過度な本数、強すぎる牽引 時間経過を待つ、改善しない場合は糸の除去 糸の一部または全部を除去 適切な本数、自然なデザイン 左右差 挿入位置・本数の左右差、元々の顔の左右差 腫れが引いてから評価、改善しない場合は追加施術 片側に糸を追加、ヒアルロン酸で調整 左右対称な挿入、元々の左右差を考慮 凹凸・でこぼこ 糸が皮膚表面に近すぎる 時間経過を待つ、改善しない場合は修正 糸の一部除去、ヒアルロン酸で凹みを埋める 適切な深さへの挿入、皮膚の厚さを考慮 引きつれ 過度な牽引、不適切な位置 1~3ヶ月様子を見る、改善しない場合は糸の除去 糸の一部または全部を除去 適切な牽引力、自然な角度 糸が透けて見える 皮膚が薄い、糸が浅すぎる ヒアルロン酸で目立たなくする、糸の除去 ヒアルロン酸注入、糸の除去 皮膚の厚さを考慮、適切な深さ 効果がない・弱い 本数不足、たるみが強すぎる 追加施術、他の治療法との併用 糸の追加、ヒアルロン酸やウルセラとの併用 適切な本数、適応の見極め すぐに戻った 糸の種類、挿入位置の問題 より持続性の高い糸への変更 PCLやPLLA糸への変更、本数を増やす 適切な糸の選択、適切な深さ 感染 衛生管理不足、術後ケア不足 すぐに医師に連絡、抗生物質投与 抗生物質、必要に応じて糸の除去 清潔な環境、術後の衛生管理 血管塞栓 糸が血管を圧迫・閉塞 緊急で医師に連絡 緊急で糸の除去、血流改善の処置 解剖学的知識、慎重な挿入 神経損傷 糸が神経を損傷 すぐに医師に連絡 糸の除去、神経再生を促す治療 解剖学的知識、神経を避けた挿入 糸の露出 固定不良、皮膚の菲薄化 医師に連絡 露出した糸の切除、必要に応じて全除去 確実な固定、適切な深さ ※個人差があります。上記は一般的な目安です。 よくある質問(FAQ) Q1. 糸リフトの失敗率はどのくらいですか? A. 「失敗」の定義によって大きく異なります。重篤な合併症(感染、血管塞栓、神経損傷)は極めて稀(1%未満)です。期待との乖離(効果が不十分、仕上がりが期待と異なる)は10~30%程度と言われていますが、これは主観的な評価のため正確な数値化は困難です。適切な医師選びと術前のコミュニケーションによって、多くの「失敗」は予防可能です。 Q2. どんな失敗がありますか? A. 糸リフトで起こり得る失敗には、見た目の失敗(不自然な引き上がり、左右差、凹凸、引きつれ、糸が透けて見える)、効果の失敗(効果がない、効果が弱い、すぐに戻った)、機能的な失敗(表情が作れない、笑えない、痛みが続く)、合併症(感染、血管塞栓、神経損傷、糸の露出)があります。 Q3. 失敗したらどうなりますか? A. 失敗のパターンによって異なります。軽度の失敗(軽度の左右差、引きつれ感など)は時間とともに改善することが多いです。中等度の失敗(明らかな左右差、凹凸など)は修正治療(糸の追加、ヒアルロン酸での修正)で改善できます。重篤な失敗(感染、血管塞栓、神経損傷)は緊急対応が必要ですが、早期対応によって改善できる可能性があります。 Q4. 失敗したらすぐに分かりますか? A. 失敗のパターンによって異なります。感染や血管塞栓などの重篤な合併症は、施術後数時間~数日で症状が現れます。左右差や凹凸などの見た目の失敗は、腫れが引いた後(1~2週間後)に明らかになることが多いです。効果不足は、腫れが完全に引いて糸が馴染んだ後(1~3ヶ月後)に判断します。 Q5. 失敗した場合、元に戻せますか? A. ほとんどの場合、糸を除去すれば元の状態に近づきます。糸リフトは可逆性が比較的高い治療法です。ただし、神経損傷や皮膚の壊死など、一部の重篤な合併症では完全な回復が困難な場合もあります。早期対応が重要です。 Q6. 糸は除去できますか? A. はい、糸は除去可能です。局所麻酔下で糸を除去する処置を行います。施術時間は15~30分程度です。ただし、時間が経つと糸の周囲に組織が形成され、除去が難しくなることがあります。早めの対応が望ましいです。 Q7. 修正治療にはいくらかかりますか? A. 保証制度がある場合は無料で修正治療を受けられます。保証制度がない場合、糸の除去は10万円~30万円程度、糸の追加は初回と同程度、ヒアルロン酸での修正は5万円~20万円程度が目安です。カウンセリング時に保証制度の有無を確認することをお勧めします。 Q8. 修正治療はいつからできますか? A. 緊急性の高い症状(感染、血管塞栓、神経損傷、糸の露出)はすぐに対処します。左右差、凹凸、不自然な引き上がりは、腫れが引いてから評価(1~2週間後)します。引きつれ感、効果不足は、時間を置いてから検討(1~3ヶ月後)します。 Q9. セカンドオピニオンは受けるべきですか? A. 施術を受けたクリニックの対応に不安がある、修正方針に納得できない、改善の見込みが分からない、他の選択肢を知りたい場合は、セカンドオピニオンを受けることをお勧めします。修正治療に経験豊富な医師に相談することで、より適切な対処法が見つかる可能性があります。 Q10. 失敗を避けるにはどうすればいいですか? A. 最も重要なのは、経験豊富で信頼できる医師を選ぶことです。糸リフトの症例数1000件以上、修正治療の経験が豊富、解剖学的知識が豊富、デザイン力がある医師を選びましょう。また、カウンセリングで十分なコミュニケーションを取り、現実的な期待値を持ち、術後ケアを徹底することも重要です。 Q11. 経験豊富な医師を選べば失敗しませんか? A. 経験豊富な医師を選ぶことで失敗のリスクは大幅に減りますが、ゼロにはなりません。患者様の体質、たるみの程度、期待値なども影響します。ただし、経験豊富な医師は、リスクを最小限に抑え、万が一の場合も適切に対処できます。 Q12. 高いクリニックなら失敗しませんか? A. いいえ、価格と失敗のリスクは必ずしも相関しません。重要なのは、医師の経験と技術、アフターフォロー体制です。高額でも経験の浅い医師もいれば、適正価格で優れた技術を持つ医師もいます。価格ではなく、医師の実績と信頼性で選ぶことが重要です。 Q13. カウンセリングで何を確認すべきですか? A. 使用する糸の種類と品質、挿入本数とその理由、期待できる効果(現実的に)、リスクと発生頻度、修正方針と費用負担、医師の経験と実績、アフターフォロー体制を確認してください。納得できるまで質問し、不安な点は遠慮せず確認することが重要です。 Q14. 効果がないのは失敗ですか? A. 必ずしも失敗とは言えません。効果の感じ方は主観的です。期待値が現実的でなかった場合、たるみが強すぎて糸リフトの適応範囲外だった場合、本数が不足していた場合などがあります。カウンセリングで現実的な期待値を共有することが重要です。効果不足の場合、追加施術や他の治療法との併用で改善できる可能性があります。 Q15. 左右差があるのは失敗ですか? A. 軽度の左右差は、腫れの出方の違いや元々の顔の左右差によるもので、正常な経過の範囲内です。腫れが引けば目立たなくなることが多いです。ただし、明らかな左右差が続く場合は、修正治療(片側に糸を追加、ヒアルロン酸で調整)が必要になることがあります。 Q16. 引きつれ感は失敗ですか? A. 引きつれ感は施術直後から数ヶ月間、ほぼ全ての方に起こり得る正常な経過です。多くは1~3ヶ月で糸が馴染むとともに改善します。ただし、3ヶ月経っても改善しない、日常生活に支障がある場合は、糸の除去を検討する必要があるかもしれません。 Q17. 痛みが続くのは失敗ですか? A. 痛みは通常、1週間程度で軽減します。2週間以上経っても痛みが続く、日に日に悪化する場合は、感染や神経への刺激などの可能性があります。すぐに医師に相談してください。 Q18. 不自然な仕上がりは失敗ですか? A. 「不自然」の感じ方は主観的ですが、顔が過度に引っ張られたような見た目、表情が作れない、笑えないなどの場合は、過度な牽引や不適切な位置への挿入が原因の可能性があります。時間とともに馴染むこともありますが、改善しない場合は糸の一部除去を検討します。 Q19. 失敗したらどこに相談すればいいですか? A. まずは施術を受けたクリニックに相談してください。ただし、クリニックの対応に不安がある、修正方針に納得できない場合は、他のクリニックでセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。修正治療に経験豊富な医師に相談することで、より適切な対処法が見つかる可能性があります。 Q20. 失敗した場合の保証はありますか? A. クリニックによって異なります。保証制度がある場合、一定期間内(3ヶ月~1年程度)の修正治療を無料で受けられます。ただし、条件(患者様の過失による場合は対象外など)があるため、カウンセリング時に詳しく確認することをお勧めします。保証制度の有無と内容は、クリニック選びの重要なポイントです。 まとめ 糸リフトの「失敗」について、その定義から具体的なパターン、原因、予防法、そして万が一失敗した場合の対処法まで、医学的根拠に基づいて詳しく解説してきました。 糸リフトにおける「失敗」は、医学的な失敗(合併症)と期待との乖離(効果が不十分、仕上がりが期待と異なる)に大きく分けられます。重篤な合併症は極めて稀(1%未満)ですが、期待との乖離は10~30%程度と言われています。ただし、これは主観的な評価のため正確な数値化は困難です。 重要なのは、「失敗」の多くは、適切な医師選び、現実的な期待値の設定、十分なコミュニケーション、そして術後ケアの徹底によって予防可能だという点です。過度に不安を感じる必要はありませんが、正しい知識を持つことが重要です。 失敗を予防するための最も効果的な方法は、経験豊富で信頼できる医師を選ぶことです。糸リフトの症例数1000件以上、修正治療の経験が豊富、解剖学的知識が豊富、デザイン力がある医師を選びましょう。また、カウンセリングで十分なコミュニケーションを取り、使用する糸、挿入本数、期待できる効果、リスク、修正方針などを納得できるまで確認することが重要です。 万が一、満足できない結果になった場合でも、諦める必要はありません。多くの失敗は、修正治療によって改善可能です。糸の除去、糸の追加、ヒアルロン酸での修正など、様々な方法があります。施術を受けたクリニックの対応に不安がある場合は、修正治療に経験豊富な他のクリニックでセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。 また、糸リフトは可逆性が比較的高い治療法です。ほとんどの場合、糸を除去すれば元の状態に近づきます。フェイスリフト手術と比べて、修正の難易度は低いと言えます。 この記事が、糸リフトの「失敗」について正しく理解し、過度に不安を感じることなく、適切な知識と医師選びによって安心して施術を受けていただくための一助となれば幸いです。美しく年齢を重ねるための選択は、決して安易なものではありません。正しい知識と適切な準備をもって、納得できる選択をしていただければと思います。

この記事の監修者

藤井 靖成

藤井 靖成

大阪・梅田 藤井クリニック院長

総合内科内科専門医であると同時に消化器内視鏡専門医・指導医として従事。
胃がん大腸がんに対する内視鏡検査・手術を通して磨いた技術と豊富な経験を活かしながら、美容外科の技術も習得し約400,000例の美容外科施術経験を積む。また、皮膚額をベースとするスキンケア医療に取り組む。
「楽しく生きる」をコンセプトに、自身が理想とする医療を追い求めるため、2007年5月 大阪・梅田に「藤井クリニック」を開院。
開院以来、美容整形手術ではない、自然な綺麗さや若返りを目的としたメスを使わない美容医療を提供し、約20年間で180000例以上の実績を持つ。

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略歴

智弁学園和歌山中学・高等学校卒
和歌山県立医科大学卒(平成6年3月)
和歌山県立医科大学付属病院 第二内科学教室入局
日赤和歌山医療センター 麻酔科
国保日高総合病院 内視鏡室 室長
大手美容外科 勤務
亀田総合病院 研修
東京大学医学部付属病院 研修
藤井クリニック開院・院長就任(平成19年5月)
藤井クリニック大阪駅前開院(平成23年5月)


認定・所属学会

日本内科学会 認定医・専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本肝臓学会専門医
総合内科専門医
日本消化器がん検診学会 会員
日本超音波医学会 会員
日本美容外科学会 会員
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