「開院5周年のご挨拶」

最近、ある患者様がご来院されました。

C型肝炎のインターフェロン注射などの治療のために入退院を繰り返して、長い年月をかけてようやく完治出来たとのことでした。

肝臓専門医の私としてはこの病気の重大さ、および治療の大切さ、困難さ、大変さを分かっているだけにうまくいって良かったなと直接の主治医ではありませんが胸を撫で下ろしました。

患者様の受診目的は、病気が治ったのに10kgの体重減少と病気・治療と闘ったことによるストレスと衰弱でしわが増えてしまった、老けてしまったので何とかしたいとのことでした。

病気のことばかりにとらわれていたが、病気が治って命をもらったのだから、気持ちを切り替えて今度はしっかりと生きていきたいと考えを新たにしたとたんに、しわが増えて老いていることに気付いて、充実した楽しい人生を過ごすために若く綺麗でいたいという思いが芽生えたそうです。

内科医としてスタートした私が、アンチエイジング医療や美容医療まで幅広く手掛けたいと考えるに至った原点がここにあります。

お酒が止められずに、慢性膵炎を繰り返して入退院を繰り返していた患者さんが治療に抵抗して、「どうせ退院しても面白くない」と言われ、臨床での、医師として責任感と医療を提供する意味や目的・ゴールなど考えさせられた病院勤務医時代を思いだします。

病気が治ると病気ではなくなる。でも、老いていく体の生きる質を高めるまでには至らないと思い、若返る医療や美しくなる医療の必要性について考えるようになりました。

開業して5周年を迎え、若く綺麗になることで自分自身が嬉しく元気になれると実感される多くの患者様を目の当たりにしてきました。

振り返れば、高校生の時にF1自動車の開発に関わるために大学の工学部に進むべきか、人間という生命体の研究に取り組む医師になるために医学部に進学するのか迷っていた時に、人体を通じて心に関わりたいと医学部に決めたその思いを少しずつではあるが実現できているのかなと、自己評価しています。

豊かな人生を送るためには何が必要なのか?

医療はどこまで、人の人生に関われるのか?

病気でない、つまり健康でいることは、必要最低条件ではありますが、十分条件ではないと考えてきました。いつまでも若く綺麗でいることが、その十分条件の一つであります。

内視鏡検査や内科診療を基盤に、アンチエイジング診療・美容診療を通じて、これからも医療の発展に少しでも貢献できますように日々精進して参ります。

医療の進歩が、人の生活の質の向上につながります。

藤井クリニックは、人の未来のために医療の最先端を走っていきます。

平成24年5月

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