「純日本製のアンチエイジング医療・美容治療」

体細胞の寿命が体の寿命であり、いわゆる病死でなく自然死としての寿命はすでに、DNAのテロメア塩基配列やDNA修復に使われるエネルギー量などで決まるといわれております。ですから自然死を伸ばすことはなかなか難しいのではないかと考えられています。

病死の代表である癌については、癌細胞などの異常細胞をアポトーシスにより自死するという免疫機構が正常に働いていれば癌になることはないが、このアポトーシスを引き起こす能力を失ってしまうと癌になってしまうとされています。この病死を防ぐためにも体の老化に対する健康維持療法としての内臓のアンチエイジング治療が必要であります。

アンチエイジング治療の一つである美容治療に関してですが、女性の老化の過程で必要になる更年期医療の一つとしても、この美容・アンチエイジング医療の位置づけは非常に大事なものであると考えられてきました。

もちろん医師ですから、老化という自然現象を受け入れることも必要です、と診察時に患者様にはいつも話します。しかし、医療で可能なことは放置するのではなくケアすれば良いと考えられるようになってきました。(あくまでもリスクを負うような外科手術を推奨している訳ではございませんが)

私が訴えたいのは、医療を施す側も受ける側にとっても大切なのはバランスだということです。

私のアンチエイジング診療の柱である内科学での胃の話でありますが、胃酸が胃に入った食べ物を消化するにも関わらず、自身の胃を消化しないのはなぜなのか?

また胃潰瘍の成因は何か?との問いがあります。(ピロリ菌のことは話が複雑になるので抜きにして)

胃潰瘍の成因論としては、大きく炎症説と血行障害説の2つの流れがあり、はなばなしい論戦が繰り広げられてきました。それを組み合わせたのが1961年のshayの天秤説でした。潰瘍の発生する粘膜の場として、攻撃因子である酸・ペプシノーゲンの促進ないし抑制に作用するのか、もう一方の粘膜防御の増強あるいは低下として働くのかを天秤のバランスで説明したものです。(今日研究が進む中で解釈に修正も生じていますが)

皮膚のケアについてもバランスが大切です。

例えば、最近の洗顔料についても、汚れを落とすことと皮膚のセラミドを始め必要な成分を奪って皮膚を傷めてしまうことの両方の作用があり、そのちょうど良いバランスが求められます。

当院での洗顔の話の際にも、当然上手な洗い方といった指導を行っています。

バランスというのは、体にとっては正の作用と負の作用のバランスが大切であるということで、その両者を合わせて程々という概念としてとらえます。そのちょうど良い程度を指導するのが我々プロであります。栄養を摂るのに食べ過ぎてもだめだし、飲みすぎてもだめなんて良い例えです。

学生時代に、体のこと、病気のことや健康管理のことを教科書で勉強したり、実習で学びましたが、それを実地医療の中で程良い内容として診療を行えたり、ちょうど良い程度の患者指導を実施するのはかなり困難なことであります。私が日々の診療で行っているのがまさにこの患者様にちょうど良い診療です。

このバランスの良い診療が、これからの日本の美容・アンチエイジング医療におきましても基軸となると考えています。

美容先進国であるアメリカや欧州のハリウッドを代表する美容整形手術、韓国や中国における韓流スターの美容外科手術を見よう見まねで行われてきたのが、今までの日本における美容治療であります。

また、美容治療の中で、美容整形外科だけでなく、アンチエイジング医療や美容皮膚治療という診療科が脚光を浴びるようになって10年になろうとしています。

藤井クリニックでは、海外での美容治療の良い点は引き継ぎつつ、修正や補正を加えて、日本の文化・風土、民族性に合った日本オリジナルの美容・アンチエイジング医療を創り出すことをテーマに掲げて日々の診療を行っています。

藤井クリニックの医療が、バランスの良い、程良い医療であり、それが日本オリジナルの美容・アンチエイジング医療になると確信しております。

この記事を書いた人

藤井 靖成

藤井 靖成

大阪・梅田 藤井クリニック院長

総合内科内科専門医であると同時に消化器内視鏡専門医・指導医として従事。
胃がん大腸がんに対する内視鏡検査・手術を通して磨いた技術と豊富な経験を活かしながら、美容外科の技術も習得し約10000例の美容外科施術経験を積む。また、皮膚額をベースとするスキンケア医療に取り組む。
「楽しく生きる」をコンセプトに、自身が理想とする医療を追い求めるため、2007年5月 大阪・梅田に「藤井クリニック」を開院。
開院以来、美容整形手術ではない、自然な綺麗さや若返りを目的としたメスを使わない美容医療を提供し、約15年間で70000例以上の実績を持つ。

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