公開日: 2026年09月27日
更新日: 2026年09月12日
照射中の痛みはどのくらい?サーマクールFLXの感じ方と麻酔の選び方
目次
- 1 サーマクールFLXの痛みとは?照射中に肌の中で起きていること
- 2 部位別に見る痛みの感じ方の目安
- 3 痛みの感じ方を左右する6つの要因
- 4 麻酔・鎮痛の選択肢と、あえて感覚を残す理由
- 5 施術の流れ|各段階で感じる感覚の目安
- 6 強い痛みを感じたときの対応と注意点
- 7 痛み対策にかかる費用と、価値の考え方
- 8 痛みの質で見る他施術との比較
- 9 30代後半〜50代後半の方からよくいただく不安
- 10 痛みへの向き合い方で見るクリニック選びの基準
- 11 よくある質問(FAQ)
- 11.1 Q1. サーマクールFLXの痛みは、10段階でいうとどのくらいですか
- 11.2 Q2. 麻酔クリームを塗ってもらうことはできますか
- 11.3 Q3. 痛みが強いほど効果も高いのでしょうか
- 11.4 Q4. 施術中に「痛い」と言ってもよいのでしょうか
- 11.5 Q5. どの部位が一番痛みを感じやすいですか
- 11.6 Q6. 生理中でも受けられますか
- 11.7 Q7. 照射中に一点だけ鋭く痛んだのですが、問題ありませんか
- 11.8 Q8. 照射が終わったあとも痛みは続きますか
- 11.9 Q9. 痛みを避けるために、範囲を分けて複数回に分割できますか
- 11.10 Q10. ウルセラプライムと比べて、どちらが痛みを感じにくいですか
- 11.11 Q11. ヒアルロン酸や糸が入っていますが、痛みに影響しますか
- 11.12 Q12. 施術中に途中でやめてもらうことはできますか
- 12 まとめ
サーマクールFLXは、高周波のエネルギーを皮膚の深い層まで届け、引き締まりを目指していく施術です。切開を伴わない施術でありながら、照射中に熱を感じることから、「どのくらい痛いのか」を気にされる方は少なくありません。ただ、この熱の感覚は、単に我慢すべき不快感というだけのものではなく、安全に照射を進めるための大切な手がかりでもあります。だからこそ、感覚を完全に消してしまう方向ではなく、感じ方を医師と共有しながら出力を調整していくという考え方が取られます。本記事では、照射中に肌の中で何が起きているのか、部位によって感じ方がどう変わるのか、痛みを左右する要因は何か、そして麻酔や鎮痛としてどのような選択肢があるのかを、順を追って整理いたします。施術を受けたあとの赤みや腫れといった経過については別の記事で扱っておりますので、ここでは施術「中」の感覚に絞ってお伝えします。
サーマクールFLXの痛みとは?照射中に肌の中で起きていること
サーマクールFLXは、モノポーラ高周波と呼ばれる電気エネルギーを肌に流し、組織が持つ電気抵抗によって内部から熱を発生させる仕組みの機器です。レーザーのように特定の色素に反応して熱を生むのではなく、チップを当てた範囲全体が面としてあたたまっていくため、感じ方も「点で刺される」というより「じんわりとした熱がやや深いところから広がる」という表現に近くなります。
もうひとつ、サーマクールならではの特徴が冷却です。チップの先端からは照射の前後に冷却ガスが噴射され、表皮を守りながら深部にだけ熱を集める設計になっています。そのため施術中は、冷たさと熱さが短い間隔で交互に訪れます。この「冷→熱→冷」というリズムそのものが独特で、初めて受ける方が戸惑いやすいポイントでもあります。
大切なのは、熱さの強さと得られる変化の大きさが単純に比例するわけではないという点です。出力を上げれば熱感は強まりますが、皮膚が耐えられる範囲を超えれば、やけどや色素沈着といった別の問題につながります。医師が目指すのは「最も痛い設定」ではなく、「その方の皮膚の厚み・状態において、安全に届けられる範囲で十分な熱を集める設定」です。痛みは目的ではなく、その設定を探るための情報のひとつとお考えいただくと、施術中の受け止め方も変わってくるかと思います。
FLXという世代の機器では、照射と同時にチップが微細に振動する機構が備わっています。振動という別の感覚を同時に与えることで、熱の感覚が相対的に和らいで伝わることが知られており、加えて皮膚の状態を読み取りながら出力を自動で微調整する制御も組み込まれています。従来世代と比べて、照射中の負担は軽減される方向に設計が進んでいるといえます。
なお、高周波という同じ枠組みの機器でも、チップの形状や照射時間、冷却の方式が異なれば感じ方は変わります。他院で別の高周波機器を受けた経験がある方も、その記憶がそのまま当てはまるとは限らない点はご承知おきください。
部位別に見る痛みの感じ方の目安
同じ出力で照射しても、部位によって感じ方は大きく変わります。理由は主に三つで、皮下脂肪の厚み、骨までの距離、そして神経の分布です。脂肪が厚い部分では熱がクッションを挟んで伝わるため穏やかに、骨が近い部分では熱が響くように感じられます。以下、代表的な部位ごとに目安を整理します。
頬・フェイスライン
サーマクールFLXの照射範囲のなかでは、比較的穏やかに感じられることが多い領域です。頬には一定の皮下脂肪があり、熱が急に一点へ集まりにくいためです。一方でフェイスラインに近づくにつれて下顎骨が浅くなるため、同じ設定でも「奥のほうにズンと響く」という感覚が加わってきます。照射面積が広く、施術時間のなかで最も長く当てる部分でもあるため、後半になるにつれて熱の蓄積を感じやすい部位でもあります。
額・眉間
前頭骨のすぐ上に薄い皮膚が乗っている構造のため、熱が骨に当たって響く感覚が生じやすい部位です。多くの方が「頬より額のほうが刺激を感じた」とおっしゃいます。眉間から眉の上にかけても同様で、加えて表情筋が緊張しやすく、力が入ることでさらに感じやすくなる傾向があります。この領域では、出力を頬よりやや控えめに設定したうえで、照射の間隔を空けながら進めるという配慮が取られることが一般的です。
目もと・まぶた
目もとには専用の小型チップが用いられ、まぶたに照射する場合には眼球を守るための保護シェルを装着したうえで行われます。この保護具を入れる際の圧迫感や異物感のほうが、熱そのものより気になったとおっしゃる方もいらっしゃいます。皮膚が顔のなかで最も薄い領域であるため、熱の到達も早く、ピリッとした鋭さを伴うことがあります。照射数を少なめにして短時間で区切る、という進め方が選ばれやすい部位です。
あご下・首
皮膚が薄く、下に硬い支えが少ないため、チップの密着状態によって感じ方にばらつきが出やすい部位です。首は動きが多く、また飲み込む動作の影響も受けるため、照射中は姿勢を保っていただく必要があります。あご下では、顔を上に向けた体位で皮膚を伸ばして当てることが多く、その姿勢自体に緊張を感じる方もいらっしゃいます。なお、首の前面のうち甲状腺のある領域は照射範囲から外すのが原則です。
こめかみ・もみあげ周辺
皮膚が薄いうえに骨が近く、さらに神経や血管が浅い層を走っているため、鋭い感覚が出やすい領域です。髪の生え際に近づくと、毛根への熱の影響を避けるために照射範囲を調整することもあります。範囲としては広くないため、感じ方が強くても持続時間は短く済むことがほとんどです。
痛みの感じ方を左右する6つの要因
同じ機器・同じ部位でも、感じ方には個人差があり、また同じ方でも日によって変わります。主な要因は次のとおりです。
- 出力の設定…最も直接的な要因です。皮膚の厚み、色調、過去の施術歴を踏まえて段階的に決められます。最初から高い設定で始めるのではなく、低めから数発試し、反応を確認しながら上げていくのが安全な進め方です。
- チップの密着状態…サーマクールでは、チップが肌に均一に接していることが前提になっています。カップリング液の量が不足していたり、曲面に対してチップが浮いていたりすると、接している一部分にだけ熱が集中し、局所的に強い熱さとして感じられます。密着を保つ手技は、そのまま安全性にも直結します。
- 照射数と施術時間の長さ…一発ごとの刺激が同じでも、数を重ねるうちに熱が蓄積し、後半のほうが強く感じられることがあります。広い範囲に多くの照射数を予定している場合は、部位の順序や休憩の取り方も感じ方に影響します。
- 皮膚の乾燥・敏感さ…バリア機能が低下している状態では、刺激を強く受け取りやすくなります。施術前の数日間は、ピーリングや強い摩擦を避け、保湿を保っておくことが望ましいとされています。日焼け直後も同様に、施術自体を見合わせる判断が取られます。
- 体調と生理周期…睡眠不足や疲労の蓄積、生理前後の時期には、同じ刺激でも強く感じられることが知られています。日程に余裕があれば、体調の安定した時期を選んでご予約いただくのもひとつの方法です。
- 緊張と呼吸…身構えて息を止めていると、感覚は鋭くなりやすくなります。次にどこへ当てるかを事前に伝えてもらう、照射のタイミングに合わせて息を吐く、といった簡単な工夫でも受け止め方は変わります。
麻酔・鎮痛の選択肢と、あえて感覚を残す理由
サーマクールFLXでは、ほかの美容医療の施術と比べて、表面麻酔を厚く用いない方針が取られることが多いという特徴があります。これは負担を軽視しているからではなく、熱の感覚が安全管理の情報として使われているためです。皮膚の感覚を強く抑えてしまうと、「熱すぎる」という合図が医師に届かなくなり、結果として過剰な熱が入るリスクが高まります。感覚を残しておくことが、やけどを避けるための仕組みの一部になっている、という理解が実態に近いといえます。
そのうえで、負担を和らげるための選択肢として次のような方法が検討されます。
- 内服の鎮痛薬…施術の30分〜1時間ほど前に服用する方法です。感覚そのものは残るため、安全管理の前提を崩さずに負担を軽くできるという利点があります。
- 笑気麻酔(吸入鎮静)…痛みを消すというより、不安や緊張を和らげて感じ方を穏やかにする目的で用いられます。会話は可能な状態が保たれるため、熱さを伝えていただくこともできます。施設によって取り扱いが異なります。
- 出力設計による調整…最も本質的な方法です。部位ごとに出力を細かく変える、1周目は控えめに当てて2周目で重ねる、感じやすい領域は照射数を分割する、といった設計で負担を分散させます。
- 照射のリズムと声かけ…次の照射位置を都度伝える、呼吸を合わせる、一定の間隔を保つといった進め方です。地味に見えて、実際の受け止め方を大きく左右します。
- 冷風・冷却の併用…機器本体の冷却ガスに加え、送風による冷却を併用する場合があります。
留意点も申し添えます。鎮痛の手段を増やすほど、追加費用が発生したり、当日の運転を控える必要が生じたりします。また、価格を抑えることを優先した施設では、痛みを避けるために出力を全体的に低く設定し、結果として期待した引き締まりに届かないという形で不満が残ることもあります。「痛くない設定」と「意味のある設定」は同じではないという点を、事前にご理解いただいておくことが大切です。逆に、痛みの訴えがあっても設定を変えずに進めるような対応も適切とはいえません。感じ方を伝えれば、その場で調整が入るかどうか。ここに施設ごとの姿勢の差が表れます。
施術の流れ|各段階で感じる感覚の目安
当日の流れに沿って、どの段階でどのような感覚があるのかを整理します。全体の所要時間は、範囲によって40分〜90分程度が目安です。
1. カウンセリングと照射設計の確認
照射範囲、予定する照射数、チップの種類を確認します。ここで「痛みが強い場合にどう対応するか」を先に取り決めておくことをおすすめします。合図の方法(手を挙げる、声を出す)を決めておくだけでも、施術中の安心感が違います。過去に別の機器で強い痛みを感じた経験がある方は、その内容も具体的にお伝えください。
2. 洗顔とマーキング
メイクを落としたあと、照射範囲にグリッドを描きます。このグリッドは、どこに何発当てたかを漏れなく管理するためのもので、同じ場所への重ね当てを防ぐ役割も担っています。重ね当ての防止は、そのまま局所的な熱の集中を避けることにつながります。この段階では痛みはありません。
3. テスト照射と出力の決定
低めの出力から数発を試し、感じ方と皮膚の反応を確認しながら設定を決めていきます。この段階で率直に感覚をお伝えいただくことが、その後の施術全体の快適さを左右します。「思ったより平気です」「これ以上は厳しいです」のどちらも、医師にとって必要な情報です。
4. 本照射
決まった設定で、部位ごとに順に照射を進めます。冷たさと熱さが交互に訪れるリズムのなかで、時折深いところに響く感覚が混じります。多くの方は5分から10分ほどでリズムに慣れ、緊張がほぐれてくるとともに感じ方も落ち着いてきます。後半で熱の蓄積を感じる場合は、遠慮なくその時点でお伝えください。部位の順序を入れ替えたり、短い休憩を挟んだりする調整が可能です。
5. 冷却とアフターケア
照射後は冷却を行い、保湿と日焼け止めで整えます。この時点でほてりが残っていても、多くの場合は数時間のうちに落ち着いていきます。施術を任せる医師を選ぶ際は、この最終確認まで同じ担当者が対応するかどうかも、確認しておきたいポイントです。
強い痛みを感じたときの対応と注意点
照射中に「これは我慢の範囲を超えている」と感じたときは、その場で伝えていただくことが何より大切です。熱の訴えは、設定が過剰である可能性を示す情報として扱われます。遠慮して黙っていることは、安全のうえでも望ましくありません。
伝えていただいた際には、出力を一段下げる、その部位だけ照射数を減らす、冷却を追加する、いったん別の部位へ移ってから戻る、といった対応が取られます。それでも強い痛みが続く場合には、当日の照射をそこで区切り、残りを後日に分ける判断もあり得ます。予定した照射数をすべて当てきることが目的ではありません。
また、施術中の感覚と施術後に残る感覚は区別して捉えていただく必要があります。照射中の熱さは当てている間だけのものですが、次のような症状は施術後の反応として扱われ、対応の考え方が異なります。
- 照射した範囲を押したときの鈍い痛みや違和感が数日続く(多くは自然に落ち着いていきます)
- 照射中に一点だけ鋭い痛みがあり、その部位に照射後も赤みや水ぶくれが残る(速やかにご相談ください)
- しびれや感覚の鈍さが照射後も続く(多くは一時的ですが、1週間以上続く場合は受診をご検討ください)
- 表情の動かしにくさを自覚する(頻度は高くありませんが、確認が必要です)
施術後の経過全般や、副作用として扱われる症状の詳しい位置づけについては、別の記事で扱っております。ここでは「照射中の痛みが、後日の症状の予兆になり得る場合がある」という点だけ押さえておいていただければ十分です。
※上記は一般的な目安であり、症状の出方には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断で経過を見るのではなく、施術を受けた施設へご相談ください。
痛み対策にかかる費用と、価値の考え方
鎮痛や照射設計に関わる費用は、施設によって「施術料金に含まれる」場合と「別途加算される」場合があります。見積もりの段階で切り分けて確認しておくと、当日の想定外を防げます。
| 項目 | 費用の目安(税込) | 見積もりで確認したい点 |
|---|---|---|
| 内服の鎮痛薬 | 0〜2,000円程度 | 施術料金に含まれるか、当日に希望した場合も対応可能か |
| 笑気麻酔(吸入鎮静) | 3,000〜11,000円程度 | 取り扱いの有無、時間単位か1回単位か、当日の運転や予定への影響 |
| 照射数を分割して複数回に分ける場合 | 分割分の照射数に応じた金額 | 分割しても総額が変わらないか、来院ごとに基本料が加算されないか |
| 当日に照射を中断した場合の扱い | 施設ごとに規定 | 残りの照射数を後日に繰り越せるか、返金の規定はどうか |
| 施術後の再診・相談 | 0〜3,300円程度 | 症状が出た場合の再診が無料か、期間の制限があるか |
※金額はいずれも税込の目安であり、施設・時期・照射範囲によって異なります。正確な費用は各施設のカウンセリングでご確認ください。なお、サーマクールFLX本体の料金の考え方(チップの枚数や照射数による費用の組み立て)については、料金を主題とした別の記事で詳しく扱っております。
費用の観点で申し上げると、痛みへの配慮は「オプションを買い足すこと」よりも「担当者が時間をかけて設計と対話に取り組むこと」によって実現される部分が大きく、そこは金額として明示されにくい領域です。同じ照射数・同じ金額であっても、テスト照射に何分かけるか、照射中にどれだけ声をかけるかで、当日の体験は大きく変わります。価格の比較だけでは見えない部分に、技術料としての価値が含まれているとお考えいただくのが実態に近いかと思います。
痛みの質で見る他施術との比較
たるみやゆるみへのアプローチには複数の選択肢があり、それぞれ痛みの「質」が異なります。強さだけでなく、どのような感覚がどのくらいの時間続くのかという観点で比べると、ご自身に合うものを選びやすくなります。
| 項目 | サーマクールFLX | ウルセラプライム | HIFU(ウルトラフォーマー3) | スレッドリフト(糸リフト) |
|---|---|---|---|---|
| 主な目的 | 真皮を中心とした層の引き締め・肌の質感 | 筋膜層を含む深部の引き締め | 複数の深さへの引き締め | 物理的な引き上げ |
| 痛みの質 | 面としての熱感。冷たさと熱さが交互に訪れる | 点状に深部へ響く鋭さ。骨に近い部位で強まりやすい | 線状に走る熱感。機種と深度で幅がある | 局所麻酔下のため照射系とは性質が異なる |
| 感じ方の持続 | 当てている間のみ。押したときの鈍い痛みが数日残ることがある | 当てている間のみ。押したときの痛みが1〜2週間残ることがある | 当てている間のみ。数日で落ち着くことが多い | 麻酔が切れた後の張りや引きつれが1〜2週間 |
| 麻酔の使い方 | 感覚を安全管理に用いるため表面麻酔は厚く用いない | 内服・外用・笑気などを組み合わせることがある | 外用麻酔を用いることがある | 局所麻酔が前提 |
| 所要時間の目安 | 40〜90分程度 | 40〜90分程度 | 30〜60分程度 | 60〜90分程度 |
| こんな方に向く | 肌のハリや質感を重視し、じんわりした熱感なら許容できる方 | 深部のゆるみが主因で、点状の刺激を許容できる方 | 短時間で済ませたい方 | 照射系では届きにくい引き上げを求める方 |
※上記は一般的な傾向を整理したものであり、機種・設定・個人差により感じ方は異なります。どの施術が適しているかは、診察のうえで判断いたします。
30代後半〜50代後半の方からよくいただく不安
「痛みに弱いのですが、受けられますか」
痛みの感じ方には大きな個人差があり、それ自体が施術を諦める理由になるとは限りません。出力を抑えて照射数を増やす、範囲を分割して複数回に分ける、鎮痛の手段を組み合わせる、といった調整の余地があるためです。カウンセリングの段階で率直にお伝えいただければ、その方に合わせた設計を組み立てることができます。反対に、伝えないまま当日を迎えると、調整の機会そのものが失われてしまいます。
「翌日から仕事や人と会う予定があっても大丈夫でしょうか」
照射中の痛みと、施術後に残る見た目の変化は別の話です。照射中の熱さは当てている間だけのもので、終われば落ち着いていきます。ただし赤みやほてり、軽いむくみは施術後に数日残ることがあるため、人前に出るご予定がある場合は逆算して日程を組むことをおすすめします。予定との兼ね合いについては、施術後の経過を主題とした別の記事で詳しくご案内しております。
「我慢したほうが効果が高まりますか」
その考え方は適切ではありません。皮膚が安全に受け止められる熱量には上限があり、それを超えた分は変化ではなく損傷につながります。無理をして限界まで出力を上げることは、期待する結果に近づく方法ではないとご理解ください。適切な範囲のなかで、必要な照射数を漏れなく当てきることのほうが、結果には結びつきやすいと考えられています。
「2回目以降は慣れて楽になりますか」
どのような感覚が来るかを知っている分、心理的な負担は軽くなる方が多くいらっしゃいます。一方で、出力設定を前回より上げた場合には感じ方が変わることもあります。また体調や時期によっても左右されるため、前回と同じ感覚になるとは限りません。2回目以降も、その日の感じ方をその都度お伝えいただくのが安全です。
痛みへの向き合い方で見るクリニック選びの基準
痛みに対する姿勢は、その施設の安全管理の考え方がそのまま表れる部分です。カウンセリングの際、次の点を確認してみてください。
- テスト照射を行うかどうか…最初から本設定で始めるのではなく、低めの出力から反応を確認する手順が取られているか。
- 感覚を伝える手段を事前に決めてくれるか…合図の方法や、強い痛みがあった場合の対応方針を先に説明してくれるか。
- なぜ表面麻酔を厚く使わないのかを説明できるか…理由を安全管理の観点から説明できる施設は、機器の特性を理解して運用していると考えられます。
- 出力と照射数の設計を数値で示してくれるか…「しっかり当てます」ではなく、部位ごとの照射数と設定の考え方を言葉にできるか。
- 照射を担当するのが誰かを明示するか…カウンセリングの担当者と照射の担当者が異なる場合、伝えた内容が共有される仕組みがあるか。
- 当てない領域を説明できるか…甲状腺の上や、注入物・糸が入っている部位の扱いについて、明確な方針を持っているか。
- 中断や分割に応じる体制があるか…当日の状況で照射を区切った場合、残りをどう扱うかの規定が明示されているか。
よくある質問(FAQ)
Q1. サーマクールFLXの痛みは、10段階でいうとどのくらいですか
感じ方には大きな個人差があるため、一律の数値でお示しすることは難しいと考えております。傾向として申し上げると、頬などの脂肪のある部位では穏やかに、額や骨の近い部位では響くように感じられやすい、という違いがあります。またFLX世代では振動機構と出力制御により、従来世代と比べて負担が軽減される方向に設計されています。
Q2. 麻酔クリームを塗ってもらうことはできますか
サーマクールでは、熱の感覚を安全管理の情報として用いる考え方から、表面麻酔を厚く用いない方針が一般的です。感覚を強く抑えると「熱すぎる」という合図が届かなくなり、過剰な熱が入るリスクが高まるためです。ご希望がある場合は、内服の鎮痛薬や笑気、出力設計による調整など、別の方法と併せて診察時にご相談ください。
Q3. 痛みが強いほど効果も高いのでしょうか
そのようには考えられていません。皮膚が安全に受け止められる熱量には上限があり、それを超えた熱は変化ではなく損傷につながります。目標は「最も強い設定」ではなく、「その方の皮膚で安全に届けられる範囲で十分な熱を集める設定」です。
Q4. 施術中に「痛い」と言ってもよいのでしょうか
ぜひお伝えください。熱の訴えは、設定が過剰である可能性を示す大切な情報として扱われます。伝えていただければ、出力を下げる、照射数を減らす、冷却を追加する、いったん別の部位へ移るといった調整が可能です。遠慮して黙っていることのほうが、安全のうえでは望ましくありません。
Q5. どの部位が一番痛みを感じやすいですか
一般的には、皮膚が薄く骨が近い部位、すなわち額・眉間・こめかみ、そして目もとで感じやすい傾向があります。反対に、皮下脂肪のある頬は比較的穏やかに感じられることが多い部位です。ただしこれはあくまで傾向であり、個人差があります。
Q6. 生理中でも受けられますか
施術自体が受けられないわけではありませんが、生理前後は刺激を強く感じやすい時期とされています。日程に余裕がある場合は、体調の安定した時期を選んでご予約いただくと、当日の負担が軽くなる可能性があります。
Q7. 照射中に一点だけ鋭く痛んだのですが、問題ありませんか
その場でお伝えいただくことが大切です。チップの密着が不十分で熱が一部に集中している可能性や、冷却が十分に届いていない可能性が考えられるためです。施術後にその部位だけ赤みや水ぶくれが残る場合は、速やかにご相談ください。
Q8. 照射が終わったあとも痛みは続きますか
照射中の熱さは当てている間だけのもので、終了後は落ち着いていきます。ただし、照射した範囲を押したときの鈍い痛みや違和感が数日続くことはあり、これは想定される反応の範囲内とされています。長引く場合や強まる場合は、施術を受けた施設へご相談ください。
Q9. 痛みを避けるために、範囲を分けて複数回に分割できますか
対応している施設は多くあります。ただし、分割すると来院ごとに基本料が加算される場合や、総額が変わる場合があります。見積もりの段階で、分割した際の費用がどうなるかを確認しておくことをおすすめします。
Q10. ウルセラプライムと比べて、どちらが痛みを感じにくいですか
痛みの「強さ」よりも「質」が異なるため、一概には比べにくいところです。サーマクールFLXは面として広がる熱感、ウルセラプライムは点状に深部へ響く鋭さという違いがあります。どちらが受け入れやすいかは方によって分かれますので、どのような感覚が苦手かを診察時にお伝えいただくと、選択の参考になります。
Q11. ヒアルロン酸や糸が入っていますが、痛みに影響しますか
注入物や糸が入っている部位では、照射の可否や設定の考え方が変わります。感じ方だけの問題ではなく安全に関わる論点ですので、いつ・どこに・何を入れたかを、必ず事前にお伝えください。
Q12. 施術中に途中でやめてもらうことはできますか
可能です。予定した照射数をすべて当てきることが目的ではありません。強い痛みが続く場合には、当日の照射をそこで区切り、残りを後日に分ける判断もあり得ます。その際の費用の扱いについては、事前に規定を確認しておくと安心です。
まとめ
サーマクールFLXの照射中の感覚は、冷たさと熱さが交互に訪れるなかで、面としての熱がやや深いところへ広がっていく、というものです。頬では穏やかに、額や目もと、こめかみなど皮膚が薄く骨が近い部位では響くように感じられやすく、出力設定・チップの密着・照射数・皮膚の状態・体調・緊張といった要因で受け止め方は変わります。
この施術で特徴的なのは、表面麻酔を厚く用いない方針が一般的だという点です。熱の感覚が、過剰な熱を避けるための安全のしくみとして使われているためで、感じ方を医師と共有しながら設定を詰めていくことが、結果としてご自身を守ることにつながります。痛みは我慢の対象ではなく、伝えるべき情報です。
藤井クリニック梅田では、テスト照射から設定を組み立て、照射中の感じ方を確認しながら進めてまいります。痛みへの不安がある方、過去の施術でつらい思いをされた方も、まずは診察の場でお聞かせください。ご不安の内容に応じて、出力設計・照射数の配分・鎮痛の選択肢を組み合わせ、無理のない進め方をご提案いたします。



