公開日: 2026年10月07日
更新日: 2026年10月06日
引き上げた分のひきつれが和らぐまで|糸リフトのダウンタイムと経過の目安
目次
- 1 糸リフトのダウンタイムとは何か|糸を通した経路の腫れと、引き上げた分のひきつれ
- 2 経過の目安|三つの時期に分けて考えます
- 3 出方を左右する条件|糸の種類と引き上げ方で変わります
- 4 施術当日から数日の過ごし方
- 5 早めにご相談いただきたい症状
- 6 腫れが強いとき・仕上がりを相談し直すときに関わる費用
- 7 他の選択肢と比べたダウンタイムの長さ
- 8 30代後半〜50代後半の方からよくいただくご不安
- 9 クリニックを選ぶときに確認したいこと
- 10 よくある質問(FAQ)
- 10.1 Q1.糸リフトのダウンタイムはどのくらいですか。
- 10.2 Q2.当日より翌日のほうが腫れています。問題はありませんか。
- 10.3 Q3.口を大きく開けたときの突っ張りはいつ和らぎますか。
- 10.4 Q4.左右で上がり方が違うように見えます。
- 10.5 Q5.いつから人前に出られますか。
- 10.6 Q6.メイクと洗顔はいつからできますか。
- 10.7 Q7.入浴や運動はいつから再開できますか。
- 10.8 Q8.うつ伏せで寝てはいけないのはなぜですか。
- 10.9 Q9.マッサージや美顔器はいつから使えますか。
- 10.10 Q10.固いものを噛んではいけないのですか。
- 10.11 Q11.糸の種類や本数でダウンタイムは変わりますか。
- 10.12 Q12.歯科治療や他の美容施術の予定があります。どう調整すればよいですか。
- 11 まとめ
糸リフト(スレッドリフト)を検討されるとき、多くの方が最初に気にされるのがダウンタイムの長さです。糸リフトのダウンタイムは、レーザーや注入の施術とは性質が少し異なります。皮膚に負った傷や熱が回復するのを待つのではなく、糸を通した経路にあらわれる腫れと、引き上げた分だけ生じるひきつれが落ち着いていくのを待つ時間だからです。つまり、組織を動かしたことに対する反応が主役になります。このコラムでは、腫れがもっとも強い時期、ひきつれと突っ張りを感じる時期、引き上げた位置になじむ時期という三つの区切りに沿って、経過の目安と過ごし方を整理いたします。あわせて、口を大きく開けたときの突っ張りや数週間続くことのある左右差といった、この施術に特有のご不安についてもお答えします。日数はいずれも目安であり、個人差があります。
糸リフトのダウンタイムとは何か|糸を通した経路の腫れと、引き上げた分のひきつれ
はじめに、この施術のダウンタイムの正体を明確にしておきます。糸リフトのダウンタイムとは、糸を通した経路にあらわれる腫れと、引き上げた分だけ生じるひきつれです。この二つが同時に起き、別々の速さで落ち着いていきます。
美容医療の多くの施術は、皮膚に与えた傷や熱が回復するまでの時間をダウンタイムと呼びます。針で開けた穴が閉じるまで、入れた熱で生じた赤みが引くまで、というように、傷が閉じる方向へ一方向に進む回復です。糸リフトはここが違います。糸を細い器具で皮下に通し、その糸を支えにして組織を上へ移動させる施術ですので、体に起きているのは「組織を動かしたことに対する反応」です。
そのため、治まり方も傷が閉じるような一方向の回復にはなりません。動かした組織が新しい位置になじんでいく過程が、そのままダウンタイムの経過になります。腫れが引いていくにつれて見え方が変わり、ひきつれの感じ方も日ごとに移っていきます。「昨日より良くなった、今日は少し戻った」と感じる波があるのは、傷の回復ではなく位置の変化をたどっているからだとお考えいただくと、経過が理解しやすくなります。
腫れとひきつれは、出る場所も引く速さも違う
腫れは、糸を通した経路に沿って出ます。こめかみや耳の前といった引き上げの起点から、頬やフェイスラインへ向かう線の上が、ふくらんだりぼんやり重く感じられたりします。これは比較的早く、数日を単位として引いていきます。
一方でひきつれは、引き上げた量そのものに対する感覚ですので、腫れが引いたあとに残ります。皮膚の下に一本の線が張っているような感じ、笑うときに頬が上に持っていかれる感じ、口を開けると横に引かれる感じとして自覚されます。こちらは週を単位として和らいでいきます。腫れが引いた時点ではまだ完成形ではないという点が、糸リフトのダウンタイムを理解するうえで重要です。
施設によって対応の可否が異なります
当院は美容皮膚科です。糸リフトは皮下に糸を挿入する外科的手技にあたるため、お取り扱いの可否や対応できる範囲は施設ごとに異なります。当院で対応している施術と、他院での対応が必要になる施術がございますので、まずは診察の際にご相談ください。ご希望の内容をうかがったうえで、当院で可能なご提案と、他の方法によるご提案を整理してお伝えいたします。
※このコラムは糸を使うリフト全般の経過をご説明するものです。個々の糸の製品に固有の経過については、それぞれの施術ページ・コラムをご参照ください。
経過の目安|三つの時期に分けて考えます
糸リフトの経過は、腫れがもっとも強い時期、ひきつれと突っ張りを感じる時期、引き上げた位置になじむ時期という三つに分けて考えると見通しが立ちます。以下の日数はすべて目安であり、糸の種類や本数、引き上げた範囲、体質によって前後します。
1|腫れがもっとも強い時期(当日〜3日)
施術当日から翌日、翌々日にかけて腫れが増していき、多くの場合は2日目から3日目に山を迎えます。当日よりも翌日のほうが腫れて見えることは珍しくありませんので、鏡を見て驚かれないようにあらかじめお含みおきください。腫れは糸を通した経路に沿って出るため、頬の上のほうやこめかみ、耳の前が張ったように感じられます。輪郭が一時的に四角く見えたり、頬骨のあたりがふくらんで見えたりすることもあります。
同じ時期に、内出血が出る場合があります。青紫色から黄色へ色を変えながら、おおむね1〜2週間で目立たなくなっていくとされています。痛みについては、じっとしているときよりも、口を動かしたときや引き上げの起点を押したときに感じやすい傾向があります。処方された内服薬で対応できる程度におさまることが多いですが、痛みの程度には個人差があります。
この3日間は、腫れを抑えることが最優先です。血流が上がる行動を控え、頭を高くして休み、患部を強く触らないようにお過ごしください。
2|ひきつれと突っ張りを感じる時期(1〜2週間)
腫れの山を越えると、見た目の変化は落ち着きはじめます。そして代わって表に出てくるのが、ひきつれと突っ張りの感覚です。この時期がいちばん「引き上げたこと」を実感していただける期間でもあります。
とくに多くの方が気にされるのが、口を大きく開けたときの突っ張りです。大きなあくびをする、歯科の診察で口を開け続ける、大きな口を開けて食事をとる、といった動作のときに、頬からこめかみへ向かって横に引かれるような感覚が出ます。糸は引き上げの起点から頬の組織へ向かって張られていますので、口を大きく開けて下方向へ組織が動くと、その張りが一時的に強くなるためです。
この突っ張りは、多くの場合1〜2週間で日常の動作では気にならない程度まで和らいでいくとされています。大きく口を開ける動作に限っては3〜4週間ほど残る方もいらっしゃいますが、時間の経過とともに軽くなっていく性質のものです。なお、この時期に無理に大きく口を開けて「どのくらい突っ張るか」を確かめる動作を繰り返すのは避けてください。引き上げた位置が落ち着く前に下方向の力をかけることになります。
笑ったときに頬の動きが硬く感じられる、口角を上げにくい、といった表情の動かしにくさも、同じ理由で生じます。表情が作れないほどになることは通常ありませんが、いつもと同じ感覚で動かない期間があるとご理解ください。
3|引き上げた位置になじむ時期(1〜2か月)
2週間を過ぎると、ひきつれの感覚はかなり薄れ、表情も普段どおりに動くようになっていきます。ここから1〜2か月かけて、動かした組織が新しい位置になじんでいきます。糸の周囲で組織が落ち着き、最初に感じた「持ち上げられている感じ」が「自分の輪郭」として自然になっていく時期です。
この期間は、施術直後よりも引き上がりが控えめに感じられることがあります。腫れによるふくらみが引くこと、組織が位置になじむことの両方が重なるためで、想定される変化の範囲内です。最終的な仕上がりをご判断いただくのは、1〜2か月が経過してからが適切とされています。
左右差は数週間続くことがあります
糸リフトの経過でとくにお伝えしておきたいのが、左右差が数週間続くことがあるという点です。左右で同じように施術をしていても、腫れの出方と引き方には左右差が生じます。もともと顔の骨格や脂肪のつき方、皮膚の厚みは左右で異なりますし、寝るときの向きの癖によっても腫れの残り方は変わります。
そのため、施術後2〜3週間の時点で「右のほうが上がっている」「左だけ頬がふくらんでいる」と感じられることがあります。これは多くの場合、腫れの引き方の差を見ているものです。仕上がりの評価は、腫れが引ききるまで先にできないとお考えください。1〜2か月の経過を見てから、左右のバランスについて医師とご相談いただくのが順序として適切です。気になる点は、その時期の診察でお伝えください。
出方を左右する条件|糸の種類と引き上げ方で変わります
同じ糸リフトでも、ダウンタイムの長さと強さは一定ではありません。何が影響するのかを知っておくと、カウンセリングでの相談がしやすくなります。
糸の種類|本数・太さ・トゲの形状・挿入する層
糸リフトに用いられる糸には多くの種類があり、本数・太さ・表面のトゲ(突起)の形状・挿入する層がそれぞれ異なります。一般論として、次のような傾向があるとされています。
- 本数が多いほど、糸を通した経路の総量が増えるため、腫れの範囲が広くなりやすい
- 太い糸は組織をしっかり保持しやすい一方で、通した経路の反応が出やすい
- トゲの形状や向きによって組織のかかり方が変わり、ひきつれの感じ方に差が出る
- 浅い層に入れる場合は皮膚表面の凹凸や引っ張られる感覚が出やすく、深い層に入れる場合は重さや押した痛みとして感じられやすい
- 引き上げる量を大きく取るほど、ひきつれを感じる期間が長くなりやすい
どの糸を選ぶかは、お顔の状態とご希望、そしてどれだけの期間お休みを取れるかによって変わります。ダウンタイムを短く抑えることを優先するのか、引き上げの幅を優先するのかという点は、診察の際にあらかじめお伝えいただくと設計に反映しやすくなります。
引き上げの起点に感じる痛みと違和感
糸リフトでは、こめかみや耳の前など、動きの少ない部位を引き上げの起点にします。この起点の部分には、他の部位とは違う種類の感覚が出ることがあります。
具体的には、指で押したときのピンポイントの痛み、髪をとかしたりまとめたりするときに響く感じ、枕に当たったときの鈍い痛み、そして皮膚の下に小さな結び目のような硬さを感じることがあります。これは糸を固定している側に力が集中するためで、起点の違和感は頬側の腫れよりも長く残る傾向があります。おおむね2〜4週間かけて薄れていくとされていますが、髪を強く引っ張る髪型や、起点を押す動作は当面控えていただくほうが楽に過ごせます。
お一人ずつの条件
皮下脂肪の厚み、皮膚のたるみの程度、これまでに受けた施術の履歴、血管の走り方、内出血の出やすさ、日ごろの睡眠や飲酒の習慣なども経過に影響します。また、血液をさらさらにするお薬やサプリメントを服用中の方は内出血が出やすくなる場合がありますので、必ず事前にお申し出ください。
施術当日から数日の過ごし方
糸リフトの過ごし方は、「腫れを増やさないこと」と「引き上げた位置に下方向の力をかけないこと」の二つが柱になります。以下は一般的な目安ですので、実際には当院からお渡しするご案内と医師の指示を優先してください。
メイクと洗顔
挿入部の状態によりますが、翌日以降にメイクを再開できる場合が多いです。ただし挿入部そのものは避け、ファンデーションをのせる際も、スポンジで押さえるのではなく指で軽く置くようにしてください。洗顔も翌日から可能な場合が多いものの、泡でなでる程度にとどめ、頬を下から上へ、あるいは強く引き下げるような手の動きはしないようご注意ください。クレンジングも力の入るシートタイプより、なでて落とせるタイプが向いています。
入浴・サウナ・飲酒
当日はシャワーのみとし、湯船・サウナ・岩盤浴は腫れが落ち着くまで、おおむね1週間程度お控えください。体温が上がって血流が増えると、腫れと内出血が強く出やすくなります。飲酒も同じ理由で、当日から数日は控えていただくのが無難です。洗髪は翌日から可能な場合が多いですが、引き上げの起点であるこめかみや耳の前を強くこすらないようにしてください。
運動と姿勢
軽い散歩程度は翌日から差し支えない場合が多いですが、汗をかく運動、頭を下げる動作を含む運動、ヨガの逆転姿勢などは1〜2週間お控えいただくのが目安です。重い荷物を持って力む動作も、顔に血液が集まりやすいため避けてください。
また、うつ伏せで寝ないことを、おおむね2週間から1か月の間お守りいただいています。うつ伏せや横向きで顔の片側を枕に押しつけると、引き上げた組織に長時間ずれる方向の力がかかり、腫れの左右差も強くなります。仰向けで、枕をやや高くしてお休みください。
マッサージ・美顔器・エステ
強いマッサージ、フェイシャルエステ、ローラーやかっさなどの器具、吸引をともなう美顔器、口の中から頬を押すようなケアは、1か月程度お控えいただくのが目安です。理由は明快で、これらはいずれも組織を動かす行為であり、糸が保持している位置に外から力を加えることになるためです。歯科の治療やホワイトニングなど、口を大きく長時間開ける予定がある場合も、可能であれば2〜3週間ずらしていただくと楽に過ごせます。
食事と表情の動き
固いものを強く噛む、大きな口を開けてかぶりつく、大きく口を開けて笑う、といった動作は1〜2週間お控えください。これらはすべて、引き上げた方向とは逆に組織を引き下げる動作です。糸が組織を保持しはじめるまでの期間に大きな動きを繰り返すと、位置の落ち着きに影響する可能性があるため、この期間だけは意識していただく価値があります。硬いフランスパンやナッツ、乾物のように噛む力を要する食品、大きなハンバーガーなどは、一口サイズに切り分けてお召し上がりください。
日焼け止めと紫外線
挿入部は小さな傷ですので、紫外線を受けると色素が残りやすくなる場合があります。挿入部を避けて塗るか、患部がふさがってからは全体に日焼け止めをお使いください。帽子や日傘を併用していただくと確実です。内出血が出ている間も、色が抜けきるまで遮光を続けていただくと安心です。
早めにご相談いただきたい症状
ダウンタイム中の変化には、想定される範囲の反応と、早めに診察をおすすめする症状があります。両者を分けて把握しておくと、ご自身で判断に迷う時間が短くなります。
想定される範囲の反応
- 2〜3日目に腫れが山を迎え、その後ゆるやかに引いていく
- 糸を通した経路に沿った青紫色の内出血が出て、1〜2週間で色が薄れていく
- 口を大きく開けたときや笑ったときに突っ張りを感じる
- 引き上げの起点に押したときの痛みや、小さな硬さを感じる
- 腫れの引き方に左右差があり、数週間にわたって差が見える
- 挿入部のまわりに一時的なくぼみやわずかな段差が見え、時間とともに目立たなくなっていく
早めに診察をおすすめする症状
- 腫れや痛みが3日を過ぎても弱まらず、むしろ強くなっていく
- 片側だけが急に強く腫れ、熱をもって赤みが広がる
- 挿入部から膿のようなものが出る、または発熱がある
- 糸の先端が皮膚から出てきた感じがする、または触れる
- 2週間を過ぎてもはっきりした段差や皮膚のよれが残っている
- 口を開ける動作が明らかに制限され、日常生活に支障がある状態が続く
- 顔の一部の感覚が鈍い、または表情の左右の動きが揃わない状態が長く続く
判断に迷われたときは、我慢して様子を見るよりも、まずご連絡いただくことをおすすめいたします。写真を撮ってお持ちいただくと、経過の説明がしやすくなります。
腫れが強いとき・仕上がりを相談し直すときに関わる費用
糸リフトの費用は施術そのものの料金で語られることが多いのですが、実際にご相談が増えるのは「腫れが思ったより強いとき」と「仕上がりをもう一度相談したいとき」です。この二つの場面に関わる費用は、契約前に確認しておく価値があります。以下は一般的な目安の金額です。
| 場面 | 費用の目安(税込) | 契約前に確認したい点 |
|---|---|---|
| 経過観察の再診 | 0〜3,300円/回 | 施術料金に何回分の再診が含まれるか。含まれる期間はいつまでか |
| 腫れや痛みに対する内服・処置 | 1,100〜8,800円 | 初回の処方は施術料金に含まれるか。追加処方・点滴や外用の処置は別料金か |
| 部分的な修正の相談 | 相談のみ 0〜5,500円/処置を行う場合は内容により別途 | どの状態がどの期間まで無償の対応範囲か。修正を判断する時期の基準があるか |
| 抜糸や糸の調整が必要になった場合 | 11,000〜55,000円程度(本数・範囲により変動) | 対応が可能かどうか。可能な場合の費用負担の考え方と、他院で受けた施術への対応可否 |
| セカンドオピニオン | 5,500〜11,000円/回 | 施術内容の記録(使用した糸の種類・本数・挿入した層)を書面でいただけるか |
※金額はすべて税込・目安であり、施設や状態によって異なります。実際の費用は診察のうえお見積もりいたします。表に挙げた項目は、施術前のカウンセリングで確認しておくと、経過中の判断がしやすくなる項目です。
とくにご確認をおすすめしたいのが、使用した糸の種類・本数・挿入した層の記録をいただけるかという点です。糸リフトは経過が長く、別の施設に相談する場面も起こりえます。記録があるかどうかで、その後の相談のしやすさが大きく変わります。
他の選択肢と比べたダウンタイムの長さ
たるみやフェイスラインのご相談に対しては、糸リフト以外にもいくつかの方法があります。ここでは施術名ではなく「何をするか」という考え方で四つに分け、ダウンタイムの性質を比べます。糸リフトの位置づけをご理解いただくための整理です。
| 比べる項目 | 糸を入れて引き上げる | 深い層に熱を点として入れる | 高周波で面として引き締める | 注入で支えを補う |
|---|---|---|---|---|
| 腫れの強さ | 四つのなかでもっとも出やすい。2〜3日目が山 | 軽い。表面より奥の重さとして感じられる | ごく軽い。直後の一時的な赤みが中心 | 中程度。入れた部位が一時的にふくらむ |
| 表情の動きに制限がある期間 | 1〜2週間(大きく口を開ける・固いものを噛む動作) | 数日(強く噛む動作でだるさを感じる程度) | ほとんどない | 数日(強く押さない・こすらない) |
| なじむまでの期間 | 1〜2か月 | 1〜3か月(引き締まりが進む期間) | 1〜3か月(回数を重ねる前提) | 2週間〜1か月 |
| 人前に出られるまでの目安 | 3日〜1週間(内出血が出た場合は1〜2週間) | 当日〜翌日 | 当日 | 翌日〜1週間(部位と内出血の有無により) |
| あとから元に戻せるか | 糸を取り出す処置を検討できる場合があるが容易ではない。時期によって難しくなる | 入れた熱は戻せない。時間の経過を待つ考え方になる | 戻すという考え方をとらない | 製剤の種類によっては調整を検討できる場合がある |
※いずれも一般的な目安であり、機器・製剤・設定・お一人ずつの状態によって異なります。どの方法が適しているかは診察のうえご提案いたします。
こうして並べると、糸リフトはダウンタイムがもっとも長く、かつ「動かす」ゆえに表情の動きにも一時的な制限が出る方法だとわかります。その分、引き上げる方向を設計できるという特徴があります。スケジュールに余裕がある時期を選んでお受けいただくことが、この施術では特に大切です。
30代後半〜50代後半の方からよくいただくご不安
仕事を長く休めません
もっとも多くいただくご相談です。糸リフトの場合、完全に回復してから出社するという考え方では日程が組みにくくなります。現実的には、腫れの山である2〜3日目をお休みに重ねるという組み方が取りやすいです。週末の前にお受けになり、月曜日にはマスクとメイクで対応するという方もいらっしゃいます。ただし人と近い距離で長く話す予定、大勢の前でお話しになる予定、写真の予定がある場合は、1〜2週間の余裕を見ていただくほうが安心です。この点はご都合をうかがってから設計に反映いたしますので、診察時にスケジュールをお持ちください。
不自然なひきつれが残らないか心配です
ダウンタイム中に感じるひきつれと、仕上がりの不自然さは別のものです。施術後1〜2週間のひきつれは、引き上げた分に対する一時的な反応であり、時間とともに和らいでいくとされています。この時期の感覚をそのまま仕上がりと考える必要はありません。一方で、2週間を過ぎてもはっきりした段差やよれが残る場合は、診察でご相談いただく段階です。前述のとおり、評価の時期は1〜2か月が目安になります。
やめたくなったときに戻せるのでしょうか
糸リフトに用いられる糸の多くは、時間をかけて体内で吸収される素材です。したがって、引き上げの作用は永続するものではなく、時間の経過とともにゆるやかに薄れていきます。一方で、ダウンタイム中に「すぐ元に戻したい」という場合は、糸を取り出す処置を検討することになりますが、これは容易ではなく、時期によっては難しくなります。引き上げ量を決める段階で慎重にご相談いただくことが、結果的にいちばんの備えになります。控えめな設計から始めて、経過を見てから追加を検討するという進め方もございます。
クリニックを選ぶときに確認したいこと
- 糸リフトを扱っているか、また対応できる範囲はどこまでか(外科的手技のため、施設によって取り扱いが異なります)
- 使用する糸の種類・本数・太さ・挿入する層を、施術前に説明してもらえるか
- ダウンタイムの日数の目安を、腫れ・ひきつれ・なじむまでと分けて説明してもらえるか
- 経過観察の再診が何回まで料金に含まれるか、期間の区切りが明示されているか
- 腫れが強いときや痛みが続くときに、すぐ連絡できる窓口と受診の体制があるか
- 修正や抜糸について、対応の可否と費用の考え方を契約前に書面で示してもらえるか
- スケジュールの都合を聞いたうえで、本数や引き上げ量の調整を提案してもらえるか
糸リフトは経過が数か月にわたる施術です。施術そのものの技術に加えて、経過中に相談できる体制があるかどうかを選ぶ基準に入れていただくことをおすすめいたします。
よくある質問(FAQ)
Q1.糸リフトのダウンタイムはどのくらいですか。
腫れがもっとも強いのは当日から3日、ひきつれと突っ張りを感じるのが1〜2週間、引き上げた位置になじむまでが1〜2か月というのが目安です。日常生活に戻れる時期と、仕上がりを判断できる時期は別だとお考えください。いずれも目安であり、糸の種類や本数、体質によって個人差があります。
Q2.当日より翌日のほうが腫れています。問題はありませんか。
腫れは2日目から3日目に山を迎えることが多いため、当日よりも翌日以降のほうが強く見えるのは想定される経過です。ただし片側だけが急に強く腫れ、熱をもって赤みが広がる場合や、痛みが増していく場合はご連絡ください。
Q3.口を大きく開けたときの突っ張りはいつ和らぎますか。
日常の会話や食事で気にならない程度までは、1〜2週間が目安とされています。大きなあくびや、口を大きく開け続ける動作に限っては3〜4週間ほど残る方もいらっしゃいます。この期間に、突っ張りの程度を確かめるために大きく口を開ける動作を繰り返すことは避けてください。
Q4.左右で上がり方が違うように見えます。
腫れの引き方には左右差が出るため、数週間にわたって差が見えることがあります。もともとの骨格や皮膚の厚みの違い、寝る向きの癖も影響します。仕上がりの評価は腫れが引ききるまで先にできませんので、1〜2か月の経過を見てから医師にご相談いただくのが順序として適切です。
Q5.いつから人前に出られますか。
腫れの山を越えた3日目以降に、メイクとマスクで対応しながら通常の生活に戻られる方が多いです。内出血が出た場合は色が薄れるまで1〜2週間を見ていただくと安心です。写真の予定や、人と近い距離で長く話す予定がある場合は、1〜2週間の余裕をおすすめいたします。
Q6.メイクと洗顔はいつからできますか。
挿入部の状態によりますが、翌日以降に再開できる場合が多いです。挿入部そのものは避け、スポンジで押さえるより指で軽く置くようにしてください。洗顔も泡でなでる程度にとどめ、頬を強く引き下げるような手の動きはお控えください。
Q7.入浴や運動はいつから再開できますか。
当日はシャワーのみとし、湯船・サウナ・岩盤浴は1週間程度、汗をかく運動や頭を下げる姿勢を含む運動は1〜2週間お控えいただくのが目安です。血流が増えると腫れと内出血が強く出やすくなるためです。軽い散歩程度であれば翌日から差し支えない場合が多いです。
Q8.うつ伏せで寝てはいけないのはなぜですか。
うつ伏せや横向きで顔の片側を枕に押しつけると、引き上げた組織に長時間ずれる方向の力がかかります。腫れの左右差が強く出る原因にもなります。おおむね2週間から1か月は仰向けで、枕をやや高くしてお休みください。
Q9.マッサージや美顔器はいつから使えますか。
強いマッサージ、フェイシャルエステ、ローラーやかっさ、吸引をともなう美顔器は1か月程度お控えいただくのが目安です。いずれも組織を動かす行為であり、糸が保持している位置に外から力を加えることになるためです。再開の時期は診察で確認させていただきます。
Q10.固いものを噛んではいけないのですか。
固いものを強く噛む、大きな口を開けてかぶりつく、大きく口を開けて笑うといった動作は、引き上げた方向とは逆に組織を引き下げる動きになります。糸が組織を保持しはじめるまでの1〜2週間は、一口サイズに切り分けてお召し上がりいただくなど、動きを小さくする工夫をおすすめいたします。
Q11.糸の種類や本数でダウンタイムは変わりますか。
一般論として、本数が多いほど腫れの範囲が広くなりやすく、太い糸は通した経路の反応が出やすいとされています。トゲの形状や挿入する層によっても、ひきつれの感じ方や痛みの出方が変わります。お休みを長く取れないご事情がある場合は、診察の際にお伝えいただくと設計に反映しやすくなります。
Q12.歯科治療や他の美容施術の予定があります。どう調整すればよいですか。
歯科治療は口を大きく長時間開けることになるため、可能であれば糸リフトの前に済ませるか、2〜3週間ずらしていただくと楽に過ごせます。他の美容施術についても、顔を強く押す操作や熱を入れる施術は時期をずらすのが無難です。ご予定をうかがったうえで順番をご提案いたしますので、カウンセリング時にお知らせください。
まとめ
糸リフトのダウンタイムの正体は、糸を通した経路の腫れと、引き上げた分のひきつれです。傷や熱の回復を待つ施術とは異なり、組織を動かしたことに対する反応が主役ですので、治まり方も一方向の回復ではなく、動かした組織が新しい位置になじんでいく過程になります。
経過は、腫れがもっとも強い当日〜3日、ひきつれと突っ張りを感じる1〜2週間、引き上げた位置になじむ1〜2か月という三つに分けて考えると見通しが立ちます。口を大きく開けたときの突っ張り、数週間続くことのある左右差、固いものを噛む・大きく笑うといった動作の制限は、いずれもこの期間に特有のものです。うつ伏せで寝ないこと、強いマッサージを避けることも、引き上げた位置を守るための指示だとご理解ください。日数はすべて目安であり、個人差があります。
糸リフトは皮下に糸を挿入する外科的手技にあたるため、お取り扱いの可否や対応できる範囲は施設ごとに異なります。当院は美容皮膚科として、たるみやフェイスラインのお悩みに対して複数の方法をご提案しております。ご希望とご都合をうかがったうえで、当院で可能なご提案を整理してお伝えいたしますので、まずは診察の際にご相談ください。費用は税込・目安であり、診察のうえお見積もりいたします。



