公開日: 2026年07月05日

更新日: 2026年06月29日

糸リフトのひきつれはいつまで続く?原因・正常範囲・正しい対処法を解説

糸リフトを受けた後に「顔がひきつれている」「口が開けにくい」「つっぱり感が続いている」という症状を感じて、「これは正常なのだろうか」「悪化させてしまわないかと不安」「マッサージしていいのか分からない」という状況にある方へ。あるいは糸リフトを検討中で「ひきつれが長く続くと聞いて怖い」という方へ。

糸リフト後のひきつれ(引きつれ・つっぱり感)は、多くの場合において正常な術後反応のひとつです。コグ(棘)が皮下組織を引き上げた結果として生じる一時的な組織の緊張であり、腫れとともに徐々に軽快していく経過をたどることが一般的とされています。しかしいつまでに改善するかの目安・何が正常範囲で何が異常サインなのか・ひきつれがある状態でやっていいこと・絶対にやってはいけないことを正確に知ることは、不安の解消と回復の助けになります。

この記事では、ひきつれが起きるメカニズムから時期別のタイムライン・正常と異常の見分け方・正しい対処法まで、中立・誠実な立場で解説します。

糸リフト後にひきつれが起きるメカニズム——なぜ起きるのか

糸リフト後のひきつれは、主に以下の2つのメカニズムによって生じます。

① コグによる組織の物理的な牽引

コグ(棘)が皮下組織に引っかかって組織を引き上げている状態では、周辺の組織に一定の牽引力がかかります。これが「ひきつれ感」「つっぱり感」として体感されます。これは糸リフトの引き上げ効果が機能している証拠でもあり、施術直後から数週間は特に強く感じやすい傾向があります。コグが組織に定着し周囲のコラーゲン繊維が形成されるにつれて、この牽引感は徐々に和らいでいきます。

② 腫れ・炎症反応に伴う組織の硬化

糸の挿入に伴う皮下組織への刺激により、一時的な炎症反応・腫れが生じます。この炎症に伴って周囲組織が一時的に硬化することで、ひきつれ感が増強される場合があります。腫れが引くにつれてこの組織の硬化も和らぎ、ひきつれ感が改善していくことが一般的とされています。

📋 重要なポイント:ひきつれが起きること自体は、多くの場合において正常な術後反応のひとつです。糸リフトは物理的に組織を引き上げる施術のため、一定期間のひきつれ・つっぱり感は必然的に生じる部分があります。「ひきつれが起きている=失敗した」という誤解は最も多い誤認のひとつです。

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ひきつれはいつまで続く?——時期別の正常範囲とタイムライン

ひきつれの改善タイムラインは個人差・本数・使用した糸の種類によって異なりますが、以下が一般的な目安とされています。現在の時期と照らし合わせて確認してください。

施術後の時期 ひきつれの典型的な状態 正常範囲の目安 この時期の対処
施術直後〜3日 腫れとともに強いつっぱり感・ひきつれ感。口の開けにくさを感じることも この時期の強いひきつれは正常範囲内。最も症状が強い時期 安静・冷却。マッサージ・温め・大開口は避ける
4日〜2週間 腫れが引くにつれてひきつれ感も徐々に軽減。日によって強弱がある場合も 改善傾向があれば正常。症状が悪化・熱感・強い痛みがある場合は要相談 引き続きマッサージ禁止。うつぶせ寝禁止。刺激を避ける
2週間〜1ヶ月 多くの方でひきつれ感が大幅に軽減。動いたときや大きく口を開けたときのみ感じることも 軽度のつっぱり感・違和感は正常範囲。改善が全くない場合は担当医師に相談 日常生活は通常通りに戻り始める。ただし強い刺激・マッサージはまだ避ける
1〜3ヶ月 ほとんどの方でひきつれが解消または軽微な違和感のみ。コラーゲン産生が活発な時期 軽微な違和感・たまに感じるつっぱりは正常範囲内。明らかな改善がない場合は要相談 通常の生活に完全に戻れる時期。まだひきつれが強い場合は担当医師に連絡
3ヶ月以降 ひきつれは解消しているのが通常。稀に感じる軽微な違和感は個人差の範囲内のことも 3ヶ月以降も明確なひきつれが残存している場合は要受診・要相談 改善しない場合は施術クリニックへ相談・セカンドオピニオンも検討

「正常なひきつれ」と「要受診のサイン」の見分け方

正常範囲内とされる状態

  • 日々少しずつ、または腫れの軽快とともに改善している
  • ひきつれる方向が、引き上げた方向(耳側・上方向)と一致している
  • 施術から2〜3週間で大幅に軽減している
  • 強い痛み・発赤・熱感を伴っていない
  • 表情を動かしたときや大きく口を開けたときだけ感じる程度に落ち着いてきている

要受診・要相談のサイン

  • 悪化している:時間が経つにつれてひきつれが強くなっている場合
  • 発赤・熱感・強い痛みが伴っている:感染が疑われる症状が続く場合は速やかに受診
  • 1ヶ月以上経過しても全く改善しない:改善の兆候が見られない場合は担当医師に相談
  • 3ヶ月以降も明確なひきつれが残存している:糸の調整・抜糸の検討が必要な可能性がある
  • ひきつれの方向が不自然:引き上げた方向と全く関係のない方向に引っ張られる感覚がある場合

ひきつれへの正しい対処法——やってよいことと絶対にやってはいけないこと

「ひきつれが気になってマッサージしていいか」という質問はダントツで最も多い疑問です。以下の表で正確に確認してください。

行動 可否 理由・注意点
患部のマッサージ ❌ 術後1〜2ヶ月は禁止 コグの固定を妨げ、糸のずれ・引き戻りの原因になる可能性がある。最も多い誤った対処のひとつ
患部を温める・長時間の入浴 ❌ 術後1〜2週間は避ける 血流が促進されて腫れ・内出血が悪化する可能性がある。腫れが引いてからシャワー→入浴の順で再開
患部を冷やす(アイシング) ✅ 術直後〜数日は有効 腫れの軽減に役立つ。ただし氷を直接当てず、タオルに包んで優しく当てる。長時間の過度な冷却は避ける
大きな開口(あくび・大笑い・大口の食事) ⚠ 術後数週間は注意 コグへの過度な負担になる可能性がある。特に施術直後は意識して大開口を避ける
うつぶせ寝・横向き寝(施術側への圧迫) ❌ 術後数週間は禁止 睡眠中の持続的な圧迫が糸のずれを引き起こす可能性がある。仰向け寝が推奨される
激しい運動・顔への衝撃 ❌ 術後1〜2週間は避ける 血流亢進による腫れの悪化・顔への衝撃が糸のずれを引き起こす可能性がある
安静を保ち自然に経過を待つ ✅ 最も重要な対処 多くの場合、時間の経過とともに自然に改善する。担当医師の術後指示を守り、不安な場合は連絡する

⚠ 最も重要な注意事項:マッサージは絶対に自己判断で行わないでください。「ひきつれているから揉んでほぐそう」という行動は、コグが組織に定着していくプロセスを妨げ、糸のずれ・引き戻り・仕上がりの悪化につながる可能性があります。施術後のひきつれには「触らずに待つ」ことが最善の対処です。

ひきつれを予防・軽減するための術後ケアのポイント

術後の正しいケアは、ひきつれの程度と回復速度に影響します。担当医師から指示された術後注意事項を守ることが、ひきつれを最小限に抑える最大の要因です。

  • 術後指示を徹底的に守る:担当医師から伝えられた「〇〇日間は○○を避けてください」という指示は、ひきつれ軽減と糸の定着に直結しています。「少しくらいなら」という甘えが回復を遅らせる原因になります。
  • 仰向けで眠る習慣をつける:術後数週間は仰向け寝を徹底し、顔への圧迫を避けてください。横向き・うつぶせは糸のずれの原因になります。
  • 食事は小さく切って食べる:大きな口を開ける食事(大きなサンドイッチ・ハンバーガー等)は術後数週間は避け、一口サイズにカットして食べることをおすすめします。
  • 洗顔・スキンケアは優しく行う:患部への強い摩擦・圧迫は避け、優しく泡で洗い、タオルで押さえるように拭く習慣をつけてください。
  • 心配なことがあればすぐに担当医師に連絡する:「これは正常範囲内か」と自己判断で悩むより、担当医師に連絡することが最も確実です。施術直後の相談はクリニックとしても歓迎すべき行動です。

ひきつれが長引いている場合の対処フロー

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1ヶ月以上経過してもひきつれが改善しない・悪化している場合は、以下の段階的な対処を取ることをおすすめします。

STEP 1:施術クリニックへの相談と経過写真での確認

まず施術を行ったクリニックの担当医師に現状を伝えてください。「いつ頃からどのような症状があるか」「どの部位が特にひきつれているか」を具体的に伝え、術前写真との比較確認を依頼してください。多くの場合、担当医師が現状を診察して「正常な経過か・対処が必要か」を判断してくれます。

STEP 2:改善が見られない場合のセカンドオピニオン

施術クリニックへの相談後も改善が見られない、または対応に納得できない場合は、糸リフトの経験が豊富な他クリニックでセカンドオピニオンを受けることを検討してください。「他院施術の経過確認」に対応しているクリニックかどうかを事前に確認することをおすすめします。

STEP 3:糸の調整・抜糸の検討(重度の場合)

糸のテンションが強すぎる・挿入位置の問題によって重度のひきつれが持続している場合、糸の調整(テンションの解除)または抜糸が検討されることがあります。吸収性素材(PDO・PCL・PLLA)の場合は時間の経過とともに吸収されるため、待機という選択肢もありますが、重度の場合は早期の対処の方が適切なこともあります。担当医師と相談のうえ判断してください。

よくある質問(FAQ)

Q. ひきつれはいつまで続くのですか?

多くの場合、施術後2〜4週間で大幅に軽減し、1〜3ヶ月でほぼ解消するとされています。ただし個人差・本数・使用した糸の種類によって異なります。施術直後〜数日は症状が最も強い時期であり、この時期のひきつれは正常範囲内です。3ヶ月以降も明確なひきつれが残存する場合は担当医師への相談をおすすめします。

Q. ひきつれは正常な症状なのですか?

はい、多くの場合において正常な術後反応のひとつです。コグが組織を引き上げている結果として生じる一時的な緊張感であり、腫れとともに改善していくのが一般的な経過です。「ひきつれ=失敗した」という誤解が多いですが、適切な経過であることが多いです。ただし悪化・長期持続・発赤・熱感を伴う場合は要受診です。

Q. ひきつれが気になりますが、マッサージしていいですか?

術後1〜2ヶ月間はマッサージを避けてください。「揉んでほぐす」という行動はコグの固定を妨げ、糸のずれ・引き戻りの原因になる可能性があります。担当医師から「マッサージしてよい」と言われていない限り、自己判断でのマッサージは控えることが重要です。

Q. ひきつれがひどい場合はどうすればよいですか?

まず施術クリニックの担当医師に連絡してください。「ひどい」という感覚は主観的なので、写真を撮って現状を記録し、担当医師に診てもらうことが最初のステップです。悪化している・発赤・熱感・強い痛みを伴う場合は速やかに受診してください。

Q. 口が開けにくいのはなぜですか?いつまで続きますか?

耳前〜頬のエリアに糸が挿入されている場合、口を大きく開ける動作がコグへの負担になり、制限されているような感覚が生じることがあります。これは多くの場合において正常な術後反応です。施術後2〜4週間程度で改善していくことが一般的とされています。ただし1ヶ月以上改善しない場合は担当医師への相談をおすすめします。

Q. ひきつれが片側だけの場合は異常ですか?

左右で腫れ方が異なる場合、ひきつれの程度も片側の方が強く感じることがあります。腫れが引くにつれて左右差が落ち着いてくる場合は正常範囲内とされています。腫れが完全に引いた後(4〜6週間以降)も明らかな片側だけの強いひきつれが残る場合は、担当医師への相談をおすすめします。

Q. ひきつれを早く治すためにできることはありますか?

「早く治す方法」よりも「悪化させない行動」の徹底が最重要です。マッサージ・温め・大開口・うつぶせ寝・激しい運動を避け、担当医師の術後指示を守ることが最善の「ひきつれを早く改善させるための対処」です。焦って何か行動しようとすることが回復を遅らせる場合があります。

Q. ひきつれが残ったまま別の施術(HIFUなど)を受けてもよいですか?

ひきつれが残存している期間中に患部への別施術を受けることは、一般的に推奨されません。担当医師に「次の施術はいつから受けられるか」を確認してから計画することをおすすめします。

Q. ひきつれと「失敗」の違いは何ですか?

「ひきつれ」はダウンタイム中の正常な術後反応として生じる一時的な症状であり、多くの場合で改善します。「失敗」は設計の問題・過剰なテンション・不適切な挿入位置により、腫れが引いた後も持続する不自然な引きつれ・凹凸・仕上がりの問題を指します。腫れが完全に引いた後(4〜6週間以降)の状態で評価することが、失敗かどうかを判断するための第一歩です。

Q. 3ヶ月経過してもひきつれが残っている場合はどうするべきですか?

3ヶ月以降も明確なひきつれが残存している場合は、担当医師への相談が必要です。吸収性素材の場合は糸の吸収が進むにつれて改善する可能性もありますが、状態によっては糸の調整・抜糸が検討されることがあります。担当クリニックへの相談→改善が見られない場合はセカンドオピニオンという段階的な対処をおすすめします。

Q. 糸リフトを受ける前にひきつれのリスクを減らすためにできることはありますか?

術前にできる最大の準備は「経験豊富な医師を選ぶこと」と「術後の注意事項を守る意思を持つこと」です。また重要な社交・仕事の予定の前に施術し「早くひきつれを解消しなければ」というプレッシャーがかかる状況を避けることも重要です。施術から重要な予定まで2〜4週間以上の余裕を持たせることをおすすめします。

Q. 妊娠中・授乳中でも施術を受けられますか?

妊娠中・授乳中の方は、局所麻酔薬の使用や身体的なストレスが胎児・乳児に与える影響を考慮し、基本的に施術を避けることが推奨されています。詳しくは担当の産科医・婦人科医にご相談のうえ、美容クリニックでも確認してください。

まとめ

糸リフト後のひきつれは、コグによる組織の牽引と腫れに伴う炎症反応によって生じる、多くの場合において正常な術後反応のひとつです。施術直後〜数週間は症状が強く、腫れとともに徐々に改善していくのが一般的な経過です。

最も重要な対処は「マッサージをしない・温めない・大開口を避ける・うつぶせ寝を避ける」という禁止事項の徹底です。「ひきつれを早く治そう」という焦りから行う自己判断の行動が、回復を遅らせたり仕上がりを悪化させる原因になることが多いです。

1ヶ月以上経過しても改善しない・悪化しているという場合は、自己判断せず担当医師への相談を最初のステップとしてください。フジイクリニック梅田では、術後のひきつれに関するご相談にも丁寧にお応えしています。施術後に不安なことがあれば、遠慮なくご連絡ください。

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この記事の監修者

藤井 靖成

藤井 靖成

大阪・梅田 藤井クリニック院長

総合内科内科専門医であると同時に消化器内視鏡専門医・指導医として従事。
胃がん大腸がんに対する内視鏡検査・手術を通して磨いた技術と豊富な経験を活かしながら、美容外科の技術も習得し約400,000例の美容外科施術経験を積む。また、皮膚額をベースとするスキンケア医療に取り組む。
「楽しく生きる」をコンセプトに、自身が理想とする医療を追い求めるため、2007年5月 大阪・梅田に「藤井クリニック」を開院。
開院以来、美容整形手術ではない、自然な綺麗さや若返りを目的としたメスを使わない美容医療を提供し、約20年間で180000例以上の実績を持つ。

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略歴

智弁学園和歌山中学・高等学校卒
和歌山県立医科大学卒(平成6年3月)
和歌山県立医科大学付属病院 第二内科学教室入局
日赤和歌山医療センター 麻酔科
国保日高総合病院 内視鏡室 室長
大手美容外科 勤務
亀田総合病院 研修
東京大学医学部付属病院 研修
藤井クリニック開院・院長就任(平成19年5月)
藤井クリニック大阪駅前開院(平成23年5月)


認定・所属学会

日本内科学会 認定医・専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本肝臓学会専門医
総合内科専門医
日本消化器がん検診学会 会員
日本超音波医学会 会員
日本美容外科学会 会員
日本美容外科医師会 会員
日本美容皮膚科学会 会員
日本抗加齢医学会 会員
日本抗加齢美容医療学会 会員
日本レーザー医学会 会員


認定資格一覧
  • サーマクール認定医
  • ウルセラ認定医
  • クールスカルプティング認定医
  • ライポソニックス認定医
  • レスチレーン認定医
  • マクロレーン認定医
  •  
  • アラガンバイクロス認定医
  • アラガンハイラクラス認定医
  • ボトックスビスタ認定医

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