公開日: 2026年09月12日
更新日: 2026年09月03日
NMN点滴は何回必要?導入期に受ける総回数の目安と見極め方を解説
目次
- 1 回数を考える前に——NMN点滴という選択肢の現在地
- 2 導入期は何回で考えるか——「1クール」という区切り方
- 3 回数を重ねる意味と、重ねても変わらない場合の考え方
- 4 導入期の進め方——初回から見極めまでの流れ
- 5 副作用・注意点——回数を重ねる前に知っておくこと
- 6 料金の目安と、回数をまとめることの”価値”の考え方
- 7 他の選択肢との比較
- 8 30代後半〜50代後半の女性からよくいただく不安
- 9 回数設計を任せられるクリニックを選ぶ基準
- 10 よくある質問(FAQ)
- 10.1 Q1. NMN点滴は、最低でも何回くらいから考えればよいですか。
- 10.2 Q2. 1回だけ受けて、続けるかどうかを決めてもよいでしょうか。
- 10.3 Q3. 「何回目から変化が分かる」という基準はありますか。
- 10.4 Q4. 回数を重ねるほど良い結果につながるのでしょうか。
- 10.5 Q5. 5回のコースと10回のコース、どちらを選べばよいですか。
- 10.6 Q6. 導入期の途中でやめても構いませんか。回数券は無駄になりませんか。
- 10.7 Q7. ひとまとまりを終えても変化を感じないときは、どう考えればよいですか。
- 10.8 Q8. サプリメントを併用している場合、点滴の回数は減らせますか。
- 10.9 Q9. 1回あたりの投与量を増やせば、回数は少なくて済みますか。
- 10.10 Q10. 導入期が終わったあとは、何回くらい続けるものですか。
- 10.11 Q11. 記録をつけるとき、何を見ておけばよいですか。
- 10.12 Q12. 他院で受けた回数は、当院での回数設計に反映されますか。
- 10.13 Q13. 年齢によって必要な回数は変わりますか。
- 11 まとめ——回数は「増やす」ためではなく「見極める」ために決める
NMN点滴を検討されている方から、もっとも多くいただくご質問のひとつが「結局、何回受ければよいのでしょうか」というものです。1回だけで判断してよいのか、ある程度まとまった回数を受けてから考えるべきなのか。迷われるのは、とても自然なことだと思います。
はじめにお伝えしておきたいのは、NMN点滴には、ヒトを対象とした試験によって裏づけられた「標準的な回数」がまだ定まっていない、という事実です。クリニックが案内する回数は、あくまで各院が組み立てた設計であり、科学的に最適と証明された数字ではありません。ここを曖昧にしたまま回数だけをお伝えすることは、当院はいたしません。
この記事では、はじめてからひととおり試すまでの「導入期の総回数」に絞って、どのように回数を考え、どこで見極めをつけるのかを整理します。回数を増やすことをおすすめするための記事ではなく、ご自身で判断していただくための材料をお渡しする記事としてお読みください。
回数を考える前に——NMN点滴という選択肢の現在地
回数の話に入る前に、NMN点滴がどのような位置づけの施術なのかを共有させてください。この前提を持っているかどうかで、「何回受けるか」という問いの意味合いが変わってきます。
NMNとNAD+の関係
NMNはニコチンアミドモノヌクレオチドという物質の略称で、体内でNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換される前駆体です。NAD+は、エネルギー代謝やDNA修復、サーチュインと呼ばれるタンパク質の働きに関与する補酵素とされています。
このNAD+は、加齢とともに体内で減少すると報告されています。減っていくものを外から補うという発想が、NMNをめぐる関心の出発点になりました。点滴は消化管を経由しないため、経口摂取とは吸収の経路が異なりますが、どちらが優れているかを断定できるだけの比較データは、現時点で十分に揃っているとはいえません。
ヒトでの有効性は、まだ研究が進められている段階です
動物を対象とした研究では、代謝や運動機能に関するさまざまな報告がなされています。ただし、ヒトで同じ結果が得られるかは今後の研究を待つ必要があります。ヒトを対象とした大規模で長期の試験は限られており、有効性が確立した治療とはいえないというのが、現時点での率直な状況です。
「効果がない」と申し上げているのではありません。「まだ分かっていないことが多い」というのが正確な表現です。だからこそ、回数についても慎重な向き合い方が必要になります。
「何回」という問いに、確立された答えはありません
結論から申し上げると、NMN点滴に確立された標準プロトコルは存在しません。「導入期は◯回」「◯回で判断する」という数字は、ヒトを対象とした試験で最適と示されたものではなく、各クリニックが臨床上の運用として設定しているものです。
同じ美容医療でも、たとえばレーザー治療のように「何回照射すればどの程度の変化が見込めるか」というデータが積み上がっている領域とは、状況がまったく異なります。この違いを知らないまま回数コースを選ぶと、期待と現実のあいだにずれが生まれやすくなります。
※本記事でご紹介する回数の考え方は、当院を含む医療機関で一般的に採用されている運用上の目安であり、有効性を裏づける統一基準ではありません。
導入期は何回で考えるか——「1クール」という区切り方
回数を無限に積み上げていくのではなく、最初にひとまとまりの回数を決めて、そこで一度立ち止まる。これが導入期の基本的な考え方です。この「ひとまとまり」を、当院では便宜的に1クールと呼んでいます。
1回だけで判断してよいのか
「まず1回だけ受けてみたい」というお気持ちは、よく理解できます。実際、初回はご自身の体が点滴そのものにどう反応するかを確かめる意味で、大切な1回です。血管痛の出やすさ、点滴中の体調、その日の残り時間の過ごし方など、初回でしか分からないことがあります。
ただし、1回で「自分に合うかどうか」の結論まで出そうとすると、判断材料が不足しがちです。体調というものは、睡眠や仕事の繁忙、季節、生理周期などさまざまな要因で日々揺れています。1回の前後だけを比べても、その変化がNMN点滴によるものなのか、たまたまその週の生活が整っていたからなのかを切り分けることは困難です。
つまり、1回は「受けられるかどうか」を確かめる回であり、「続けるかどうか」を判断する回ではないと整理していただくのが現実的です。
5回・10回という単位がよく使われる理由
多くのクリニックでは、回数券やコースが5回・6回・10回といった単位で設定されています。当院でも、導入期の目安としては5回前後をひとつの区切りとしてご説明することが一般的です。
この数字の背景にあるのは、医学的なエビデンスというより、運用上の合理性です。数回では日々の体調の揺らぎに埋もれてしまい、逆に20回、30回と重ねてから振り返ろうとすると、費用も時間も大きくなりすぎて「やめる判断」がしにくくなります。振り返るのに足る回数であり、かつ引き返せる範囲でもある——その折り合いの点として、5回から10回という単位が定着してきた、と理解するのが正確です。
言い換えれば、この数字は「効果が現れる回数」ではなく「判断のための観察期間の長さ」を表しています。ここを取り違えないことが大切です。
見極めの精度を上げる3つの準備
同じ5回でも、準備の有無で得られる情報量は大きく変わります。導入期に入る前に、次の3点を決めておくことをおすすめしています。
- 評価する項目を先に決めておく……「なんとなく調子がよい」では振り返れません。朝の起きやすさ、夕方の集中の持続、肌の乾燥感など、ご自身が気にしている2〜3項目に絞って決めておきます。
- 記録のつけ方を決めておく……項目ごとに5段階で点数をつけ、施術当日と数日後にメモを残すだけで十分です。手帳でもスマートフォンのメモでも構いません。記憶ではなく記録で振り返ることが、思い込みを避ける最良の方法です。
- 見直しの期限を区切っておく……「5回を終えた時点で、続けるかどうかを一度決める」と最初に宣言しておきます。期限がないまま続けると、判断そのものが先送りになりがちです。
導入期を終えたあとの回数は、別の設計になります
導入期のひとまとまりを終え、ご自身にとって続ける価値があると判断された場合、その先は維持を目的とした通い方に移っていきます。ここから先は「総回数」ではなく「どのくらいの間隔で受けるか」という別の設計の話になりますので、本記事では深入りせず、別記事で詳しく扱います。
また「いつ頃から変化を感じるものなのか」という時間軸のご質問も多くいただきますが、これも回数設計とは別の観点ですので、そちらは専用の記事をご参照ください。この記事では、あくまで最初のひとまとまりを何回で組むかに焦点を絞ります。
回数を重ねる意味と、重ねても変わらない場合の考え方
複数回を重ねることには、いくつかの実務的な意味があります。同時に、回数を増やせば増やすほどよくなる、という単純な関係ではないことも、はっきりお伝えしておく必要があります。
ひとまとまりの回数を受けることで期待できること
- 体調の揺らぎに埋もれない量の記録が集まり、ご自身にとっての傾向が見えやすくなります
- 点滴時間や施術後の過ごし方が生活に馴染むかどうかを、現実的に確かめられます
- 血管痛や内出血の出やすさなど、体質に関わる反応の傾向を把握できます
- 投与量や実施の組み立てについて、医師と相談しながら調整する余地が生まれます
- 継続する場合・しない場合の費用感を、実感を伴って見積もれるようになります
回数を重ねることの限界とデメリット
- 回数と実感が比例するという裏づけはありません。「◯回目から変わる」という数字は、ヒトを対象とした試験で示されたものではありません
- 自由診療のため、回数が増えるほど費用の負担は確実に大きくなります
- 長期にわたって投与を続けた場合の安全性データは限られており、際限なく重ねることを前提とした施術ではありません
- 支払いを済ませた回数券があると「もったいないから続ける」という心理が働き、冷静な見極めを妨げることがあります
- 生活習慣や睡眠、栄養状態の課題が背景にある場合、点滴の回数を増やしても本来の課題は残ったままになります
ひとまとまりを終えて変化が感じられなかったとき
導入期を終えて、記録を見返しても目立った変化が読み取れない。これは決して珍しいことではありませんし、失敗でもありません。有効性がまだ確立していない領域である以上、「合わなかった」という結果も正当な結論のひとつです。
このとき「回数が足りなかったのではないか」という発想で、さらに回数を追加していく方向に進むことは、当院ではおすすめしていません。追加すれば変わるという根拠がない以上、それは費用と時間の負担だけが積み上がる選択になりかねないからです。いったん区切り、他の選択肢を検討したり、生活面の調整に目を向けたりするほうが、結果的に納得のいく道筋になることが少なくありません。
導入期の進め方——初回から見極めまでの流れ
実際に当院で導入期を組み立てる際の流れを、ステップごとにご説明します。回数そのものよりも、その回数をどう使うかのほうが重要だと考えています。
ステップ1:カウンセリングと医学的な確認
問診で既往歴、服用中のお薬、アレルギーの有無、妊娠・授乳の状況などを確認します。必要に応じて血液検査で腎機能・肝機能の状態を把握することもあります。ここで「そもそも受けていただける状態か」を判断します。この段階で回数を先に決めさせようとするのではなく、まず受けられるかどうかから確認する医師かどうかを、ひとつの目安になさってください。
ステップ2:目的の言語化と評価項目の設定
何を確かめたいのかを言葉にし、導入期を通して見ていく2〜3項目を一緒に決めます。漠然とした期待のままでは、あとから振り返ることができません。評価項目を一緒に決めてくれる医師は、結果を検証する前提で提案しているということでもあります。
ステップ3:初回の点滴——反応の確認
初回は、体がどう反応するかを見る回として位置づけます。点滴の所要時間は内容によって幅がありますが、おおむね30分から1時間程度が一般的です。点滴中の血管の痛み、気分の変化、施術後の体調などを確認します。初回に投与量を控えめから始める提案ができる医師は、安全側から入る姿勢を持っていると考えられます。
ステップ4:2回目以降と、中間での振り返り
2回目以降は、決めた項目の記録を続けながら受けていきます。ひとまとまりの中間、たとえば5回の導入期であれば3回目あたりで一度、記録を持参して医師と共有します。途中で立ち止まる機会をあらかじめ設けている医師であれば、残りを惰性で消化する事態を避けやすくなります。
ステップ5:導入期終了時の見極め
最後の回を終えたら、記録全体を見返して、続けるか一度区切るかを決めます。ここで大切なのは、判断を先送りにしないことです。「やめる」という選択肢を対等に提示してくれる医師かどうかが、長くお付き合いできるかどうかの分かれ目になります。
副作用・注意点——回数を重ねる前に知っておくこと
回数の設計を考えるうえで、安全面の理解は欠かせません。複数回を前提にするからこそ、事前に把握しておいていただきたい内容をまとめます。
比較的みられやすい反応
- 点滴部位の痛み、血管に沿った痛み(血管痛)
- 穿刺部の内出血や、押したときの軽い違和感
- 点滴中の一時的な気分の変化、軽い動悸やほてり
これらの多くは一時的なものですが、回数を重ねるうちに同じ血管を繰り返し使うことで、穿刺部位の負担が蓄積することもあります。スタッフに遠慮なくお伝えいただき、部位を変える、投与速度を調整するなどの対応を取ります。
注意すべき反応
ごくまれにアレルギー反応が起こる可能性があります。広範囲の発疹やじんましん、強いかゆみ、顔や口周りの腫れ、息苦しさ、めまい、強い動悸などがみられた場合は、我慢せずすぐにお申し出ください。施術中であれば直ちに中止し、必要な対応を行います。
受診・ご相談のタイミング
帰宅後に、穿刺部の腫れや熱感が強くなってきた場合、内出血が広がり続ける場合、発熱や強い倦怠感が続く場合は、次回を待たずにご連絡ください。呼吸のしづらさなど急を要する症状があるときは、当院への連絡と並行して救急受診をご検討ください。なお、長期にわたって投与を続けた場合の安全性については、参照できるデータが限られています。この点も、回数を無制限に増やすことを前提にしない理由のひとつです。
お受けいただけない方
- 妊娠中・授乳中の方(安全性が確立していないため)
- 重篤な腎機能障害・肝機能障害のある方
- 使用する成分に対するアレルギーの既往がある方
- 発熱時や、急性疾患の治療中の方
※上記に該当しない場合でも、持病やお薬の内容によっては見合わせをご提案することがあります。導入期の回数を決める前に、必ず医師にご相談ください。
料金の目安と、回数をまとめることの”価値”の考え方
NMN点滴は自由診療のため、料金は医療機関ごとに設定されています。含有量や投与量、併用する成分によって幅がありますが、一般的な相場感としては次のような整理になります。
| 組み立て方 | 回数 | 料金の目安(税込) | 想定される使い方 |
|---|---|---|---|
| 単回 | 1回 | 1回あたり15,000円〜50,000円程度 | 点滴そのものへの反応を確かめたい段階 |
| 短めの導入クール | 5回前後 | 単回料金×回数を基準に、1回あたりの単価を抑えた設定とする医療機関が多くみられます | 記録をとりながら、区切りを設けて見極めたい方 |
| 長めの導入クール | 10回前後 | 回数が増えるほど1回あたりの単価が下がる設定が一般的です | 生活に組み込むところまで含めて判断したい方 |
| 導入期終了後 | 都度/継続 | 継続の可否を判断したうえで、あらためて設計します | 維持を目的とした通い方は別記事で詳しくご説明します |
※上記は一般的な相場の目安であり、当院の実際の料金体系ではありません。自由診療・保険適用外の施術です。当院の料金は施術ページに掲載しておりますので、そちらをご確認ください。
※使用する製剤の薬事承認状況・入手経路等については、当院の施術ページに記載の内容をご確認ください。
まとめて契約することの利点と、慎重に考えたい点
回数をまとめると1回あたりの負担は下がります。これは分かりやすい利点です。一方で、有効性がまだ研究段階にある施術において、先に大きな回数を確定させることには慎重さも必要です。
当院では、単価の安さだけで長いコースをお選びいただくことはおすすめしていません。「区切りをつけて振り返れる回数か」「途中で見直せる仕組みがあるか」を基準に選んでいただくほうが、結果としてご納得いただける選択になると考えています。有効期限、途中解約の扱い、返金の可否については、契約前に必ずご確認ください。
他の選択肢との比較
「導入期に何回受けるか」を考えるときは、他の選択肢と並べて眺めてみると判断しやすくなります。それぞれ性格が異なりますので、優劣ではなく相性としてご覧ください。
| 選択肢 | 主な目的 | 期待できること | 実感までの目安 | 通院頻度 | 料金目安 | こんな方に向く |
|---|---|---|---|---|---|---|
| NMN点滴 | NAD+の前駆体を静脈から補う | 研究が進められている段階で、ヒトでの有効性は確立していません | 個人差が大きく、一定の目安は示されていません | 導入期は5〜10回を目安に設計 | 1回15,000〜50,000円程度 | 研究段階であることを理解したうえで試したい方 |
| NMNサプリメント | 同じ成分を経口で継続的に摂る | 吸収経路が点滴とは異なり、優劣を比較できるデータは十分ではありません | 日々の摂取が前提で、明確な目安はありません | 通院は不要 | 製品により月額数千円〜数万円 | 通院の時間を確保しにくい方 |
| 高濃度ビタミンC点滴 | ビタミンCを高用量で補う | 目的や適応は医師の判断により異なります | 個人差があります | 複数回の継続を前提とすることが多い | 1回10,000〜30,000円程度 | 点滴という手段に慣れている方 |
| プラセンタ注射 | 胎盤由来成分を注射で補う | 目的や適応は医師の判断により異なります | 個人差があります | 短時間で複数回受ける設計が中心 | 1回1,000〜3,000円程度 | 1回の負担を小さく始めたい方 |
| 生活習慣の見直し | 睡眠・運動・栄養の土台を整える | 健康の基盤として広く推奨されています | 数週間〜数か月単位 | 通院を伴いません | 費用はかかりません | すべての方に並行して取り組んでいただきたい選択肢 |
※料金は一般的な相場の目安であり、税込・自由診療(保険適用外)です。医療機関により設定は異なります。掲載内容は他院との優劣を示すものではありません。
30代後半〜50代後半の女性からよくいただく不安
「一度始めたら、ずっと通い続けることになりませんか」
導入期をひとまとまりとして区切っておけば、その時点で必ず一度立ち止まることができます。継続を前提とせず、最初から「見極めのための回数」として設計することが、この不安への最も確実な答えです。区切りのない提案を受けたときは、遠慮なくその理由を尋ねてください。
「忙しくて、まとまった回数を通いきれる自信がありません」
通いきれないことが分かっているのに長いコースを契約すると、消化しきれない回数が残り、かえって心の負担になります。ご自身の生活のなかで無理なく確保できる回数から逆算し、短めの区切りで始めることをおすすめします。回数券の有効期限も、契約前にご確認ください。
「回数を減らしたいと言い出しづらい雰囲気が心配です」
医療機関は、患者さまが選択を変えられる場所であるべきだと考えています。回数を減らしたい、いったん見合わせたいというご希望は、いつでもお伝えいただいて構いません。ご希望を伝えにくいと感じる環境であれば、その医療機関との相性を見直す材料としてお考えください。
「周囲の人と同じ回数でよいのでしょうか」
回数の目安はあくまで運用上の設計であり、他の方と同じ回数が、ご自身にとっても適切とは限りません。体調の背景も、確かめたい項目も、生活の余裕も一人ひとり異なります。人数や回数の多さを判断材料にするのではなく、ご自身の記録と照らして決めていただくことをおすすめします。
回数設計を任せられるクリニックを選ぶ基準
確立された標準プロトコルがない施術だからこそ、誰と一緒に回数を決めるかが重要になります。次の観点でご覧になってみてください。
- 「回数の目安に確立した根拠はない」と説明できるか……分かっていないことを分かっていないと言える姿勢が、最も信頼できる指標です
- 初診でいきなり長いコースを勧めてこないか……まず体質や適応を確認し、短い区切りから提案されるかを見てください
- 評価する項目と見直しの期限を一緒に決めてくれるか……検証する前提で提案しているかどうかが表れます
- 「続けない」という選択肢を対等に示してくれるか……やめる話ができる医療機関は、始める話も信頼できます
- 回数券の有効期限・途中解約・返金の条件が明示されているか……契約書面で確認できる状態になっているかが要点です
- 医師が毎回の状態を確認する体制があるか……回数を重ねるほど、その都度の確認が大切になります
- 副作用が生じた際の連絡先と対応が明確か……導入期の途中で不安が生じたときの窓口を確認しておきましょう
よくある質問(FAQ)
Q1. NMN点滴は、最低でも何回くらいから考えればよいですか。
A. 医学的に定まった最低回数はありません。そのうえで運用上の考え方を申し上げると、体調の日々の揺らぎに埋もれずに振り返るには、5回前後をひとまとまりとして設計されることが多くみられます。ただしこれは判断のための観察量の目安であり、有効性の根拠ではありません。
Q2. 1回だけ受けて、続けるかどうかを決めてもよいでしょうか。
A. 初回は「点滴という手段がご自身の体に無理なく受け入れられるか」を確かめる回として、とても意味があります。一方で、続けるかどうかの判断材料としては情報が不足しがちです。1回で結論を出すのではなく、受けられるかどうかの確認と、続けるかどうかの見極めを分けてお考えいただくとよいと思います。
Q3. 「何回目から変化が分かる」という基準はありますか。
A. そうした基準はありません。ヒトを対象とした試験で回数と実感の関係が示されているわけではなく、個人差も大きいと考えられています。特定の回数を挙げて変化を約束するような説明を見かけた場合は、その根拠をお尋ねになることをおすすめします。
Q4. 回数を重ねるほど良い結果につながるのでしょうか。
A. 回数と結果が比例するという裏づけはありません。また、長期にわたって投与を続けた場合の安全性データも限られています。回数を積み増すことを前提にするのではなく、区切りを設けて振り返り、そのつど判断していく組み立てをおすすめしています。
Q5. 5回のコースと10回のコース、どちらを選べばよいですか。
A. はじめての方には、短めの区切りから始めていただくほうが安心だと考えています。1回あたりの単価は長いコースのほうが下がりますが、有効性がまだ研究段階にある施術で先に大きな回数を確定させることには、慎重さも必要です。通いきれる現実性と、途中で見直せるかどうかを基準にお選びください。
Q6. 導入期の途中でやめても構いませんか。回数券は無駄になりませんか。
A. 体調面の不安や生活の事情で見合わせるご判断は、いつでも尊重されるべきものです。回数券の残数の扱いは医療機関ごとの規約によりますので、契約前に有効期限・途中解約・返金条件をご確認ください。当院でも、ご契約前にこの点をご説明しています。
Q7. ひとまとまりを終えても変化を感じないときは、どう考えればよいですか。
A. 「合わなかった」という結論も、正当な結果のひとつです。回数が足りなかったと考えて追加を重ねる進め方は、当院ではおすすめしていません。いったん区切ったうえで、生活習慣の調整や別の選択肢を含めて、あらためて医師とご相談いただくのがよいと思います。
Q8. サプリメントを併用している場合、点滴の回数は減らせますか。
A. 経口摂取と点滴では吸収の経路が異なりますが、両者を換算して回数を調整できるだけの比較データは十分ではありません。併用されている場合は、その内容を医師にお伝えいただいたうえで、無理のない組み立てをご相談ください。
Q9. 1回あたりの投与量を増やせば、回数は少なくて済みますか。
A. 投与量と回数を交換できるという考え方には、確立した根拠がありません。むしろ量を増やすことで血管痛などの反応が出やすくなる場合もあります。量の設定は、体調や反応を見ながら医師が判断すべき事項とお考えください。
Q10. 導入期が終わったあとは、何回くらい続けるものですか。
A. その先は総回数ではなく、どのくらいの間を空けて受けるかという別の設計に移ります。こちらは維持期の通い方を扱った別記事で詳しくご説明していますので、そちらをご参照ください。本記事は導入期の総回数に絞ってお伝えしています。
Q11. 記録をつけるとき、何を見ておけばよいですか。
A. 項目を絞ることが大切です。朝の起きやすさ、夕方の集中の持続、肌の乾燥感など、ご自身が気にされている2〜3項目を選び、5段階で点数化して残してください。あわせて睡眠時間や仕事の繁忙度も一言添えておくと、体調の揺らぎの要因を切り分けやすくなります。
Q12. 他院で受けた回数は、当院での回数設計に反映されますか。
A. これまでの回数、投与量、そのときの体調の記録をお持ちいただければ、あらためて設計を組み立てる際の材料として拝見します。単純に回数を引き継ぐというより、これまでの経過を踏まえて、次にどこで見極めるかを一緒に考える形になります。
Q13. 年齢によって必要な回数は変わりますか。
A. 年齢ごとに推奨回数が定められているわけではありません。NAD+が加齢とともに減少すると報告されていることから年齢に注目が集まりやすい領域ですが、それが「年齢が上がるほど回数を増やすべき」という根拠になるわけではない、というのが現時点での正確な理解です。
まとめ——回数は「増やす」ためではなく「見極める」ために決める
NMN点滴に、ヒトを対象とした試験で裏づけられた標準的な回数は存在しません。5回、10回という単位は各医療機関の運用上の設計であり、効果が現れる回数を示したものではないという点を、まずご理解いただきたいと思います。
そのうえで導入期の総回数を考えるなら、5回前後をひとまとまりとして区切り、評価する項目と記録の方法、見直しの期限を先に決めておく。この準備があるだけで、同じ回数から得られる情報の質は大きく変わります。1回は受けられるかどうかを確かめる回、ひとまとまりは続けるかどうかを見極める回——この区別が、判断を明快にしてくれます。
重ねても変化が読み取れなかったときに、回数を追加する方向へ進まないこと。これも大切な考え方です。研究が進められている段階の施術である以上、「合わなかった」という結論に至ることは十分にあり得ますし、それは適切な見極めができたということでもあります。
藤井クリニック梅田では、回数を先に決めていただくのではなく、確かめたいことを整理し、区切りを設けたうえで一緒に見極めていく進め方をご提案しています。導入期の組み立てや、ご自身に無理のない回数についてお迷いの際は、どうぞお気軽にご相談ください。



