公開日: 2026年09月04日

更新日: 2026年08月31日

お腹だけ痩せない原因とは|下腹のぽっこり脂肪と医療痩身を医師が解説

目次

体重は少し落ちた。腕や脚は以前より軽くなった気がする。それなのに、お腹だけが変わらない——鏡の前でそう感じている方は少なくありません。とりわけ下腹は、食事や運動を整えてもいちばん最後まで残りやすく、努力が見た目に結びつきにくい部位とされています。

その背景には、腹部に特有の脂肪のつき方、性質の異なる皮下脂肪と内臓脂肪、姿勢や腹圧、年齢に伴うホルモン環境の変化といった複数の要因が重なっています。原因が異なれば、選ぶべき手段も変わります。

この記事では、お腹だけが痩せにくい理由を整理したうえで、下腹部の皮下脂肪に対する医療痩身の選択肢のひとつであるクールスカルプティング(脂肪冷却)について、適応と限界の両面から解説します。ご自身がどのタイプに当てはまるのかを考える手がかりとしてお読みください。

お腹だけ痩せないのはなぜ?下腹がぽっこりして見える理由

「全体的には痩せたのに、お腹だけが残る」という感覚は、意志の問題でも努力不足でもなく、腹部という部位が持つ構造的な特徴によるところが大きいと考えられています。まずは、下腹が変わりにくい理由を整理してみましょう。

脂肪は体の部位ごとに減り方が違う

減量に取り組んでも、脂肪は全身から均等に減るわけではありません。一般に、顔まわりや上半身は比較的早く変化が現れやすい一方、下腹部・腰まわり・臀部は最後まで残りやすいと説明されることが多い領域です。

その理由のひとつに、脂肪細胞の表面にある受容体の分布の違いが挙げられます。脂肪の分解を促す受容体と、分解を抑える受容体の比率が部位ごとに異なるとされ、下腹部や腰まわりは後者の割合が比較的高く、いわば「エネルギーを手放しにくい設定」になっている、と理解するとイメージしやすいでしょう。

30代後半以降、下腹が変わりやすい背景

30代後半から50代後半は、女性ホルモンの分泌が緩やかに変化していく時期にあたります。これに伴い、脂肪のつき方が「下半身型」から「腹部中心型」へ移行しやすくなることが知られています。若い頃と同じ生活でも脂肪の集まる場所が変わるという実感は、この変化と無関係ではありません。

さらに、筋肉量の緩やかな減少、基礎代謝の低下、座位時間の長さ、睡眠時間の確保の難しさなども重なります。ひとつひとつは小さくとも、積み重なることで「以前と同じでは戻らない」状態が生まれていきます。

クールスカルプティングの詳細はこちら

皮下脂肪と内臓脂肪|下腹対策の前に見極めたい2つのタイプ

同じ「下腹が出ている」という見た目でも、その中身は人によって異なります。腹部の脂肪は大きく皮下脂肪内臓脂肪に分けられ、存在する場所も性質も適した対処法も異なります。ここを取り違えたまま手段を選ぶと、時間も費用も期待した形では活きません。

皮下脂肪の特徴

皮下脂肪は、皮膚と腹筋のあいだの層に蓄えられる脂肪です。指でつまむことができ、柔らかく、体表から厚みを感じ取れるのが特徴で、女性では下腹部・腰まわり・太ももなどに蓄積しやすいとされています。内臓脂肪に比べて代謝の回転が緩やかで、減りにくい一方、急激に増えることも少ないと説明されます。

内臓脂肪の特徴

内臓脂肪は、腹筋の内側、臓器のまわりに蓄えられる脂肪です。体表からつまむことができず、お腹全体が前方に張り出す、硬さのある膨らみとして現れます。男性に多いとされますが、女性でも閉経前後に増えやすくなることが知られています。

内臓脂肪は代謝の回転が速く、食事や運動習慣の見直しによって比較的変化が現れやすいとされる一方、蓄積が続くと健康面への影響も指摘されています。この場合に優先されるのは、見た目への対処よりも生活習慣の改善であり、必要に応じた内科的な評価です。

内臓脂肪型の方は、脂肪冷却の対象外です

ここが、この記事でもっともお伝えしたい点です。クールスカルプティング(脂肪冷却)は、専用のアプリケーターで皮膚ごと組織を吸引・冷却する仕組みのため、はたらきかけられるのは皮下脂肪に限られます。腹筋の内側にある内臓脂肪には作用しません。

つまり、下腹の張り出しが内臓脂肪を主体とするものである場合、脂肪冷却を受けても輪郭の変化はほとんど期待できないということになります。この見極めをせずに施術を進めることは、患者さまにとって望ましい選択とはいえません。

医療機関ではまず医師が腹部を診察し、つまめる脂肪の厚みや腹壁の張り、体型の傾向を確認して適応を判断します。診察の結果、脂肪冷却の適応ではないと判断した場合には、その旨を率直にお伝えします。それもまた、医療機関が果たすべき役割のひとつだと考えています。

脂肪以外の理由で下腹が出て見えることもある

下腹のふくらみは、脂肪だけが原因とは限りません。次のような要素が関わることもあります。

  • 姿勢と骨盤の傾き:骨盤が前に傾いた姿勢では腰が反り、下腹が押し出されるように見えることがあります。長時間の座位やヒールの多い生活は、この傾向を強めやすいとされます。
  • 腹圧を支える筋の機能低下:腹部の深層にある筋群は、内臓を支えてお腹を平らに保つはたらきを担います。出産や加齢、運動不足で機能が低下すると、脂肪量が変わらなくても下腹が前に出て見えることがあります。
  • 腹直筋の離開:妊娠・出産を経て、左右の腹直筋のあいだが広がったままになることがあります。この場合、脂肪へのアプローチだけでは十分な変化が得られにくいとされます。
  • 婦人科的な要因:子宮筋腫など、腹部の膨らみとして自覚される疾患もあります。急に大きくなった、月経の変化を伴うといった場合は、まず婦人科での評価をお勧めします。

これらはいずれも、脂肪冷却で対応できる範囲を超えます。だからこそ、施術の前に医師の診察を受け、ご自身の下腹が何によって形づくられているのかを把握することが、遠回りのようでいて近道になります。

下腹の皮下脂肪に対する選択肢|クールスカルプティングとは

診察の結果、下腹のふくらみが皮下脂肪を主体とするものであった場合、医療痩身の選択肢のひとつに挙げられるのがクールスカルプティング(脂肪冷却/クライオリポリシス)です。

冷却によって脂肪細胞にはたらきかける仕組み

脂肪細胞は、皮膚や神経といった周囲の組織に比べて低温への感受性が高いという性質を持つとされています。クールスカルプティングはこの性質を利用し、専用のアプリケーターで対象部位を吸引しながら一定時間冷却することで、周囲への負担を抑えつつ脂肪細胞に選択的にはたらきかけることを目指す施術です。

冷却刺激を受けた脂肪細胞はアポトーシス(細胞が自然に退縮していく過程)を起こすとされ、その後は数週間から数か月かけて体の代謝経路を通じて処理され、体外へ排出されていくと説明されています。その日のうちに変化が現れる施術ではなく、時間の経過とともに緩やかに輪郭が整っていくタイプの施術である、という理解が大切です。

「痩せる施術」ではなく「輪郭を整える施術」

クールスカルプティングは体重を減らす施術ではなく、対象部位の皮下脂肪の厚みに部分的にはたらきかけ、輪郭を整えることを目的としています。肥満に対する治療の代替となるものではなく、大幅な減量を目指す方には別のアプローチが適しています。

1回の施術で対象部位の皮下脂肪の一部が減少するとされ、おおむね2割前後の減少がみられたとする報告もありますが、脂肪の厚みや部位、体質によって結果には個人差があり、具体的な数値をお約束できるものではありません。診察時に想定される変化の幅を率直にお伝えしたうえでご検討いただいています。

忙しい方に選ばれている理由

切開や注射を伴わないため、施術後は基本的にそのまま日常生活へ戻ることができます。1箇所あたりの施術時間は機種により異なりますが、おおむね35分から1時間程度が目安とされ、その間は座ったままお過ごしいただけます。予定を大きく動かさずに検討しやすい点が、ダウンタイムを取りにくい方に選ばれている理由のひとつです。

期待できる主な効果と、腹部の部位別の目安

ひとくちに「お腹」といっても、脂肪のつき方は場所ごとに異なります。腹部を分けて考えることで、どこにどうアプローチすべきかが見えてきます。

下腹部(へそから下)

ボトムスのウエストラインに乗る肉が気になる領域です。皮下脂肪が層として厚くなりやすく、姿勢の影響も受けやすい場所です。つまめる厚みが十分にある場合はアプリケーターが組織を捉えやすく、脂肪冷却の適応となりやすい部位のひとつとされています。

上腹部(へそから上)

みぞおちからへそにかけての領域です。下腹部に比べて脂肪の層が薄いことが多く、下腹部だけを施術すると上下の段差が気になる場合があります。腹部全体のバランスを見ながら計画することが、自然な仕上がりにつながるとされています。

脇腹・腰まわり

後ろ姿のシルエットや、下着・ボトムスの上に乗るラインに影響する領域です。下腹だけでなくここを含めて考えることで、側面から見た印象も整いやすいとされています。左右差が生じないよう、対称性への配慮が欠かせません。

※変化を感じ始めるのは一般に施術後3週間頃から、最終的な評価は2〜3か月後とされています。効果の現れ方や時期には個人差があり、回数や範囲は診察のうえで判断いたします。

メリット・デメリット

ご検討にあたっては、良い面だけでなく、限界や注意点も同じ重さで知っていただきたいと考えています。

メリットとして挙げられる点

  • 切開や注射を伴わないため傷跡が残る心配がなく、麻酔に関する負担も基本的にありません。
  • 施術後はそのまま日常生活に戻ることができ、まとまった休みを取りにくい方でも計画を立てやすい施術です。
  • 数週間から数か月かけて緩やかに変化するため、周囲に気づかれにくいとされています。
  • 脂肪細胞の数にはたらきかける仕組みとされ、生活習慣が保たれていれば変化は維持されやすいと考えられています。

デメリット・限界として理解しておきたい点

  • 内臓脂肪には作用しません。下腹の張り出しが内臓脂肪主体の場合、期待した変化は得られにくいと考えられます。
  • 即効性のある施術ではなく、イベント直前など短期間での変化を求める場面には向きません。
  • 1回で満足のいく変化が得られるとは限らず、脂肪の厚みによっては複数回を要することがあります。
  • つまめる脂肪が少ない方や皮膚のたるみが主体の方は適応となりにくく、別の手段が適していることがあります。
  • まれではありますが、PAH(逆説的脂肪過形成)をはじめとする合併症の可能性があります。詳細は後述します。
  • 自由診療のため保険適用外であり、費用は全額自己負担となります。

価格の安さだけで選ぶことのリスク

脂肪冷却は複数の機器が存在し、料金設定にも幅があります。価格を抑えた提供自体が問題ではありませんが、医師の診察が形だけになっていないか、腹部の脂肪の性状を評価したうえで適応を判断しているか、アプリケーターの当て方の計画が説明されるか、施術後の経過観察や不具合が生じた際の対応体制が整っているかは、事前にご確認ください。比較の際は単価ではなく、診察料や再診を含めた総額でご覧になることをお勧めします。

施術の流れ

初診から経過観察までの流れを、各段階で確認しておきたい視点とあわせてご紹介します。

1. カウンセリング・問診

気になる部位、これまで取り組まれたこと、目指す仕上がり、既往歴や服薬状況などを伺います。妊娠・授乳中かどうか、腹部の手術歴の有無も重要な情報です。

信頼できる医師を見極める視点:ご希望をそのまま受け入れず、目指す仕上がりが現実的かを率直に検討してくれるか。

2. 医師の診察と脂肪タイプの評価

医師が実際に腹部に触れ、つまめる脂肪の厚み、腹壁の張り、皮膚の状態、左右差などを確認します。ここで皮下脂肪型か内臓脂肪型かを見極め、適応の有無を判断します。

信頼できる医師を見極める視点:触診を行わずに施術を勧める場合は、いったん立ち止まること。

3. 施術計画とリスクの説明

アプリケーターの種類、当てる位置と数、想定される回数、費用の総額、起こりうる反応や合併症の説明を受け、納得されたうえで同意書にご署名いただきます。

信頼できる医師を見極める視点:良い面と同じ分量で、限界やリスクの説明があるか。

4. マーキングとアプリケーターの装着

立位と臥位で脂肪の分布を確認しながら位置に印をつけ、皮膚を保護するシートを当ててアプリケーターを装着します。

信頼できる医師を見極める視点:マーキングの根拠を説明できるかは、輪郭の設計を持っている表れ。

5. 冷却(施術本体)

開始直後は吸引による引っぱられる感覚と強い冷たさがありますが、数分から10分ほどで和らいでいくことが一般的です。その間は読書などをしてお過ごしいただけます。

信頼できる医師を見極める視点:施術中にスタッフが定期的に様子を確認する体制があるか。

6. 取り外しとマッサージ

アプリケーターを外した直後、施術部位は冷えて硬くなっています。その後は用手的なマッサージを行うことが一般的で、効果の面でも意味があるとされています。この際に一時的な痛みを感じることがあります。

信頼できる医師を見極める視点:この工程を省略せず、一定の手順で行っているか。

7. 経過観察と再評価

施術後は通常どおりの生活に戻っていただけます。2〜3か月後に再診を行い、変化を確認したうえで追加の施術が必要かを一緒に検討します。

信頼できる医師を見極める視点:施術後の再診が計画に含まれているかを契約前に確認すること。

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ダウンタイム・副作用・注意点

日常生活への影響が少ない施術とされますが、医療行為である以上、起こりうる反応を正しく知っておくことが大切です。

比較的頻度の高い反応

  • 施術部位の赤み:多くは数時間から数日で落ち着いていきます。
  • 腫れ・むくみ感:腹部は範囲が広く、下着やボトムスがきつく感じられることがあります。
  • 鈍い痛み・つっぱる感じ:施術後数日から2週間程度、動作時に感じられることがあります。
  • 一時的な感覚の鈍さ:施術部位の皮膚感覚が数週間鈍く感じられることがあり、多くは自然に戻るとされています。

頻度は低いものの注意すべき反応

まれな合併症として、PAH(逆説的脂肪過形成)が知られています。これは施術部位の脂肪が減るのではなく、逆に硬さを伴って増大してくる反応です。頻度は非常に低いとされますが、自然に元へ戻ることは期待しにくく、外科的な処置が必要になる場合があると報告されています。多くは施術から数か月後に気づかれるため、経過観察が重要です。ほかに、強い痛みの長期化や皮膚の硬いしこり、色素の変化なども頻度は高くないものの報告されています。

受診をお勧めするタイミング

  • 痛みが2週間を過ぎても軽くならない、あるいは日ごとに強くなっている場合
  • 施術部位の腫れや赤みが長期間続く、熱感を伴う場合
  • 数か月後に、施術部位が硬く盛り上がってきたと感じる場合
  • 皮膚に水ぶくれ、強い色素変化などの変化がみられる場合

施術をお受けいただけない方・慎重な判断が必要な方

  • 妊娠中・授乳中の方、妊娠の可能性がある方
  • 寒冷刺激によって症状が誘発される疾患(寒冷凝集素症、クリオグロブリン血症、寒冷蕁麻疹など)をお持ちの方
  • 施術予定部位にヘルニアがある方、または既往のある方
  • 施術部位に皮膚疾患、感染、開放創がある方
  • 出血傾向のある方、抗凝固薬を服用中の方(医師の判断が必要です)
  • 腹部の手術歴があり、瘢痕の状態によっては適応の判断が必要となる方

※上記は一般的な目安です。個別の適応は必ず医師の診察のうえで判断いたします。

料金相場と「価値」の考え方

腹部の脂肪冷却は、アプリケーターを当てる箇所の数によって費用が変わることが一般的です。下腹部のみを対応する場合と、上腹部・脇腹まで含めて計画する場合とでは、総額が大きく異なります。

対象範囲1箇所あたりの料金目安(税込)想定される箇所数の目安備考
下腹部のみ約40,000〜90,000円1〜2箇所脂肪の厚みが一部に集中する方
下腹部+上腹部約40,000〜90,000円2〜4箇所腹部の段差を避けたい方
脇腹(左右)約40,000〜90,000円2箇所〜左右対称に計画することが基本です
腹部・腰まわり全体セット料金の設定がある場合あり4〜8箇所総額での比較をお勧めします

※上記は一般的な料金相場の目安であり、税込表記です。医療機関・機種・アプリケーターの種類によって設定は異なります。クールスカルプティングは自由診療(保険適用外)です。当院の正確な料金は、施術ページおよびカウンセリングにてご確認ください。

※使用する機器の薬事承認状況・入手経路等については、当院の施術ページに記載の内容をご確認ください。

クールスカルプティングと他の選択肢の比較

下腹への手段はひとつではありません。ご自身の状態と優先順位に合うものを選んでいただくために、代表的な選択肢を客観的に整理します。

項目クールスカルプティング(脂肪冷却)脂肪吸引内科的アプローチ(生活習慣・内服等)
主な目的部分的な皮下脂肪の輪郭を整える皮下脂肪を外科的に除去する全身の体重・内臓脂肪の管理
効果の特徴対象部位の皮下脂肪に緩やかに作用。内臓脂肪には作用しない1回で比較的大きな変化が期待される全身に及ぶ。部位を選べない
効果が出るまで3週間頃から。評価は2〜3か月後腫れが引く1〜3か月後数か月単位の継続が前提
ダウンタイム当日から日常生活へ。赤み・鈍痛が数日〜2週間腫れ・内出血・圧迫着用など数週間なし
料金目安(税込)1箇所 約40,000〜90,000円腹部で数十万円台が中心内容により大きく異なる
こんな方に向く下腹の皮下脂肪をつまめ、休みを取りにくい方まとまった変化を望み、休養を確保できる方内臓脂肪型の方、減量が必要な方

※上記は一般的な傾向の比較であり、優劣を示すものではありません。いずれも自由診療(保険適用外)となる場合があり、適応は診察のうえで判断いたします。

なお、これらは排他的な関係ではありません。内臓脂肪が多いと判断された方が生活習慣の見直しに取り組み、そのうえで残った下腹の皮下脂肪に脂肪冷却を検討する、という順序も現実的な選択です。

30代後半〜50代後半の女性からよくいただくご不安

「年齢的にもう手遅れではないでしょうか」

脂肪冷却は年齢そのものを条件とする施術ではなく、対象となるのは皮下脂肪の状態です。つまめる厚みが十分にあり、皮膚のたるみが主体でなければ、年代を理由に適応から外れるものではありません。ただし皮膚の弾力が変化している場合は、脂肪の減少後の見え方も事前に想定しておく必要があります。

「不自然に凹んだり、段差になったりしませんか」

腹部は面積が広く、当てた箇所と当てていない箇所の境界が生じうる部位です。だからこそ、下腹部だけを部分的に施術するのではなく、上腹部や脇腹との連続性を見ながら配置を計画することが大切とされています。仕上がりの自然さは、機器の性能だけでなく設計によるところが大きいといえます。

「以前ジムに通っても下腹だけ変わりませんでした。今度は違いますか」

運動や食事管理は全身のエネルギー収支にはたらきかけるもので、部位を選んで脂肪を減らすことは難しいとされています。一方、脂肪冷却は部位を限定してはたらきかける手段です。性質が異なるため、これまでの経過だけを理由に諦める必要はありません。ただし内臓脂肪や姿勢が主因の場合は、それぞれに適した対応が優先されます。

下腹の医療痩身を任せる、クリニック選びの基準

お腹という広い面を扱う施術だからこそ、機器の種類以上に診察と設計の質が結果を左右します。以下の視点をご検討の参考になさってください。

  • 医師が実際に腹部を触診し、皮下脂肪型か内臓脂肪型かを評価しているか。この工程がなければ、適応の判断は成り立ちません。
  • 適応でない場合に、その旨を伝えてくれるか。すべての方に同じ施術を勧める姿勢は、医療機関として自然とはいえません。
  • アプリケーターの配置計画を説明できるか。どこに何箇所、どの順で当てるのかに理由があるかを確認しましょう。
  • リスクとPAHについて、事前に具体的な説明があるか。良い面だけが語られる説明には注意が必要です。
  • 総額と、含まれる範囲が書面で明示されるか。診察料・再診・追加時の費用まで確認しておきましょう。
  • 施術後の経過観察と、不具合が生じた際の窓口が明確か。連絡先と対応の流れを確認しておくと安心です。
  • その場での契約を求められないか。検討する時間を尊重してくれるかどうかは、信頼の目安になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. お腹だけ痩せないのは、私の体質のせいでしょうか。

A. 体質の一言で片づけられるものではなく、腹部の脂肪の分布、皮下脂肪と内臓脂肪の比率、姿勢や腹圧、ホルモン環境の変化など複数の要因が関わるとされています。まずはご自身の下腹が何によって形づくられているかを把握することが出発点です。

Q2. 健診で内臓脂肪が多いと言われました。クールスカルプティングは受けられますか。

A. 脂肪冷却がはたらきかけられるのは皮下脂肪のみで、内臓脂肪には作用しません。内臓脂肪が主体と判断される場合は、生活習慣の見直しや内科的な評価が優先されます。診察でその点を確認し、適応でない際には率直にお伝えしています。

Q3. 自分の下腹が皮下脂肪型か内臓脂肪型か、簡単に見分ける方法はありますか。

A. 立った状態で下腹の皮膚をつまみ、厚みのある層をしっかり持てるようであれば皮下脂肪が多い可能性があります。反対に、お腹全体が硬く前に張り出していてつまみにくい場合は内臓脂肪の関与が考えられます。あくまで目安ですので、最終的な判断は診察と体組成の評価にお任せください。

Q4. 施術を受けると体重は減りますか。

A. 体重を減らす施術ではなく、対象部位の皮下脂肪の厚みにはたらきかけ、輪郭を整えることを目指すものです。体重計の数字よりも、服のシルエットや腹囲の印象で評価していただくほうが実際に近いとされています。

Q5. 下腹には何回くらい必要ですか。

A. 脂肪の厚みやご希望の程度によって異なり、1回で満足される方も、2〜3回を計画される方もいらっしゃいます。2〜3か月後の再評価をもとに、追加が必要かを一緒に検討する流れが一般的です。

Q6. いつ頃から変化を感じられますか。

A. 一般に施術後3週間頃から徐々に変化を感じ始め、最終的な評価は2〜3か月後とされます。腹部は範囲が広く、実感までにやや時間がかかると感じられる方もいらっしゃいます。

Q7. 痛みはどの程度でしょうか。

A. 開始直後は吸引による引っぱられる感覚と強い冷たさがありますが、数分から10分ほどで和らぐことが多いとされます。施術後のマッサージ時や、その後数日間に鈍い痛みを感じることがあり、感じ方には個人差があります。

Q8. 仕事を休む必要はありますか。

A. 基本的に休養を要する施術ではなく、当日からお仕事に戻る方が多くいらっしゃいます。ただし腹部は動作で使う部位のため、施術直後に長時間の移動や激しい運動は避けると安心です。

Q9. 出産後に残った下腹のたるみにも受けられますか。

A. 皮下脂肪が主体であれば適応となりうる一方、腹直筋の離開や皮膚のゆるみが主体の場合は、脂肪冷却だけでは十分な変化が得られにくいとされています。まず診察でご相談ください。なお授乳中の方は施術をお受けいただけません。

Q10. 施術後にリバウンドすることはありますか。

A. 冷却により減少した脂肪細胞は体外へ排出されるとされますが、残った脂肪細胞は体重の増減に応じて大きさが変化します。施術後に大きく体重が増えれば輪郭の印象も変わりえますので、食事や運動の習慣を保つことが大切です。

Q11. 帝王切開の傷や腹部の手術歴があっても受けられますか。

A. 瘢痕の状態、ヘルニアの有無、手術からの経過期間によって判断が異なります。安全に施術できるかは医師が診察のうえで判断しますので、既往は必ずお申し出ください。

Q12. 生理中や生理前でも施術を受けられますか。

A. 一般に施術自体は可能とされますが、この時期は腹部の張りやむくみを感じやすく、体調も変動しやすい傾向があります。腹部への施術は、体調の落ち着いた時期を選んでいただくほうが快適です。

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まとめ|下腹への一歩は、原因を見極めることから

お腹だけが痩せないという感覚には、腹部特有の脂肪のつき方、皮下脂肪と内臓脂肪という2種類の脂肪、姿勢や腹圧、加齢に伴う変化といった複数の背景があります。努力の量ではなく、原因と手段の組み合わせが合っていなかっただけ、ということも少なくないのです。

クールスカルプティング(脂肪冷却)は、下腹部の皮下脂肪に対して部分的にはたらきかけ、輪郭を整えることを目的とした施術です。切開を伴わず日常生活へ戻りやすい一方で、体重を減らす施術ではなく、内臓脂肪には作用しません。だからこそ、ご自身がどのタイプに当てはまるのかを、まず医師の診察で確かめていただきたいと考えています。

適応となる方には、配置の設計とリスクの説明のうえで進めてまいります。適応でないと判断した場合には、その理由と優先していただきたい別の道筋をお伝えします。どちらも同じくらい大切な医療の役割だと考えています。

長く付き合ってきたお悩みだからこそ、急がず、納得できる道筋を選んでいただければと思います。藤井クリニック梅田では、お一人おひとりの腹部の状態を診察したうえで、選択肢とその限界を率直にご説明しています。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

藤井 靖成

藤井 靖成

大阪・梅田 藤井クリニック院長

総合内科内科専門医であると同時に消化器内視鏡専門医・指導医として従事。
胃がん大腸がんに対する内視鏡検査・手術を通して磨いた技術と豊富な経験を活かしながら、美容外科の技術も習得し約400,000例の美容外科施術経験を積む。また、皮膚額をベースとするスキンケア医療に取り組む。
「楽しく生きる」をコンセプトに、自身が理想とする医療を追い求めるため、2007年5月 大阪・梅田に「藤井クリニック」を開院。
開院以来、美容整形手術ではない、自然な綺麗さや若返りを目的としたメスを使わない美容医療を提供し、約20年間で180000例以上の実績を持つ。

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略歴

智弁学園和歌山中学・高等学校卒
和歌山県立医科大学卒(平成6年3月)
和歌山県立医科大学付属病院 第二内科学教室入局
日赤和歌山医療センター 麻酔科
国保日高総合病院 内視鏡室 室長
大手美容外科 勤務
亀田総合病院 研修
東京大学医学部付属病院 研修
藤井クリニック開院・院長就任(平成19年5月)
藤井クリニック大阪駅前開院(平成23年5月)


認定・所属学会

日本内科学会 認定医・専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本肝臓学会専門医
総合内科専門医
日本消化器がん検診学会 会員
日本超音波医学会 会員
日本美容外科学会 会員
日本美容外科医師会 会員
日本美容皮膚科学会 会員
日本抗加齢医学会 会員
日本抗加齢美容医療学会 会員
日本レーザー医学会 会員


認定資格一覧
  • サーマクール認定医
  • ウルセラ認定医
  • クールスカルプティング認定医
  • ライポソニックス認定医
  • レスチレーン認定医
  • マクロレーン認定医
  •  
  • アラガンバイクロス認定医
  • アラガンハイラクラス認定医
  • ボトックスビスタ認定医

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